美容師 離職率

美容師の離職率は高い?統計や原因を解説

美容室では、他の業種に比べて離職率が高いことで有名です。それは他の業種にはない働き方をするからでしょう。接客業と技術職の両方を磨く必要があり、精神的なストレスもたまりやすくなっています。だからといって、美容師そのものを諦める必要はありません。お店によっては働きやすい美容室もあるので、よくお店を見て判断してみてください。
Last Updated:2021/11/26

厚生労働省の統計データから見る美容室の離職率

美容師の離職率が高い原因
厚生労働省の調べでは、美容室を含める生活関連サービス業という業種の割合は、他の業種に比べて離職率が高めという結果が出ています。
以下の表をご覧いただくと、3年目までに5割以上の人が離職している高さがお分かりいただけると思います。

平成28年3月卒 離職者数(人)
離職者数 14,302
1年目までの離職者数 4,180
2年目までの離職者数 6,353
3年目までの離職者数 8,027

もちろん、あくまで生活関連サービス業全体の話です。
美容室だけの話になれば、もともと離職率が高いといわれているだけに、少なくとも同じかそれ以上の高い数値が予想できます。

なぜ美容室では、他の業種より高い離職率になってしまうのでしょうか?

美容師の離職率が高いのはなぜ?考えれる原因

上記の表から美容室の離職率が高いのは確かであるとわかりました。
しかし、なぜ3年目に以降になると、5割以上の美容師が辞めてしまうのでしょうか?
考えられるのは、美容室独特の働き方に問題があることです。

  • 美容室での拘束時間
  • 拘束時間の割に給料が安い
  • 独特の働き方にある休日の少なさ
  • 働いている最中の精神的ストレス

上記のように、働き甲斐以上に不満が溜まってしまう人が多いようです。
それぞれの理由について、具体的に見てみましょう。

拘束時間が長い

美容室というのは、他の業種に比べて技術力にかなり目を向けられます。
お客様の髪がきれいになるように施術しなければいけないのですが、そのためには練習する必要があります。
この練習にも時間を投資しなければいけないため、拘束時間が自然と長くなってしまうわけです。

山梨労働基準監督署は、美容室を営む会社及び同社の代表取締役の両名を、労働基準法違反の疑いで甲府地方検察庁に書類送検した。 
(以下略)
同社の従業員は、1日の拘束時間が11時間と長く、たくさんの客に対応するために休憩時間を考慮せずに予約を入れる等の経営方針から、従業員は昼食が摂れないこともあった。

このように、数年前の美容室では労働基準監督署に注意されるのみならず、警察が動くほどの労働環境のところもありました。

もちろん現在では、上記事件当時までの拘束力はなくなっています。
しかし改善されたとはいえ、まだ美容室経営者側の力が残っているところはあるはずです。
昔ながらの働き方をしている美容室は、離職率が高くなっているでしょう。

給料が安い

拘束時間が長い割に、そこまで給料が高くないのも離職率が高い原因となっています。
以下の表を見ればわかるように、国家資格がある美容師と比べて、衣料品を販売する従業員に対する給料はさほど大差はありません。

美容師 求人賃金 衣料品販売 求人賃金
全国 24.3万円 21.8万円
東京都 22.1~31万円 20.6~29.4万円
徳島県 17.5~25.9万円 17.4~23.1万円
北海道 17.8~25.3万円 17.7~23.3万円

この違いが美容室で働く人のモチベーションに、大きな影響を与えているひとつの原因といってもいいでしょう。
給料以上の働き甲斐がないと、夢のある仕事である美容師であっても、辞めたくなる気持ちが強くなってしまいます。

休みが少ない

美容室は技術職でもありながら、お客様と直接関係を作る接客業でもあります。
そのため、どうしても休憩時間を確保するのが難しく、1日中働き続けないといけない日があるのも事実です。

もちろん美容室側は、休憩時間を確保できるように配慮しているところもたくさんあります。
しかし予約の入り具合によっては、お客様が待っている間に休憩に入れないといったケースは少なくありません。

この問題は美容室全体の仕事の流れによるものです。
美容師1人では解決できないので、美容室経営者も含めて話し合って解決しないと離職率を抑えるのは難しいでしょう。

精神的ストレス

美容室は他の業界よりも人間関係が複雑で、ストレスが溜まりやすい業種と言えるでしょう。

職場の人達だけでなく、お客様との繋がりまで維持する必要があるからです。
人間同士の繋がりが多く、うまくいかないときこそ精神的負担が大きくなっていきます。

  • お客様との人間関係
  • 美容師同士のいざこざ
  • 技術力の悩み

など

上記のように人間関係以外には、美容師自身の技術力にストレスを感じる人もいます。
このように悩みが複雑な美容師は、ちょっとしたきっかけで辞める人も少なくありません。
美容室を経営するうえで、こうした美容師たちが抱えているストレスを減らす努力も重要な課題になるでしょう。

美容師にはならない方がいい?

美容師にはならない方がいい?
美容師を目指している人がいるとすれば、ネガティブな情報が多い美容師を、わざわざ目指す人は少ないかもしれません。
辞める確率が高いなら、最初から美容師にならないほうがいいと考える人も多いでしょう。

しかしそれは、あくまで統計上の話です。
確かに美容室で働くと苦労は多いかもしれませんが、それは美容室によります。
それはとりあえず希望の美容室で働いてみてから、決断したほうがいいでしょう。

美容師の離職率が低い美容室もある

離職率が高いのは、全て美容室で当てはまるわけではありません。
中には、美容師にとって働きやすい美容室も多くあります。

そうした美容室には以下の特徴があります。

  • シフトを自由に決められる
  • キャリアアップの仕組みが明確
  • 頑張った分に応じて給料がもらえる
  • 人間関係が苦手な美容師でも楽しく仕事ができる

など

本来美容室というのは、安定した報酬が手に入る業界です。
そこに目を付けた売上重視の美容室オーナーは、お店で働く美容師を大事にしないこともあります。
しかし、上記のように離職率が低く抑える努力をしている美容室では、働きやすくて長く美容師が続けられます。

試しにお客様として来店してみて、お店に長くいる美容師がどれだけいるか確認してみるのもいいかもしれません。

美容師の離職率が低い美容室の特徴・取り組み

美容師が離職してしまうのは、上記でお伝えしてきました通り美容室の経営方法が原因でしょう。
美容師にとって働きやすい環境を作っている美容室は以下のような点にも気を配っています。

  • 将来が見えやすいキャリアアップの仕組み
  • 給料が高く、結婚後も安定している
  • 働いている最中も、オーナーなどが気にかけてくれる

あくまで上記は一例ですが、どれも離職率が高い美容室と正反対になっているのがわかるでしょう。
離職率が低い美容室は、美容師の不安をできるだけ取り除く努力をしています。

お客様だけでなく、美容師も気にかけることのできる美容室は人間関係が良好です。

もし美容師をやめたいと思ったときは

もし美容師をやめたいと思ったときは
美容室側が離職率を抑えようと、美容師目線で経営をしていたとしても、タイミングによってはやめたくなる美容師もいるでしょう。

  • 美容師のキャリアを活かして転職
  • 指名してくれるお客様に案内して独立
  • 別の業種へ転職

など

辞めるといっても、上記のように選ぶべき仕事はたくさんあります。
あなたに合った業種を見つけるのも良いですが、せっかく美容師になったのなら、キャリアを活かしましょう。
転職後も楽になるケースも多いので、やめたいと思っている美容師は一度トライしてみることもおすすめです。

別の美容室・サロンへ転職する

美容室をやめたいと感じる人は、その美容室内で不満が溜まっていることが原因でしょう。

  • 一緒に働く美容師
  • 給料
  • 営業スタイルが合わない

など

美容室はやめたいけど、上記のようにその美容室が自分に合わないと思った人は、別の美容室で働けばストレスがなくなるかもしれません。
働きやすい美容室を見つけるには、1度お客様としてお店に行ってみるといいでしょう。
美容師同士の人間関係や、お店の雰囲気をよく見て美容室選びをしてみてください。

独立する

独立するのも、ひとつの選択肢としておすすめです。

しかし簡単に独立といっても、気軽にできるものでもありません。
1度独立をしてしまうと、その資金はあなたから支払う必要があります。
1人で営業する美容室なら問題ありませんが、場合によっては誰かを雇うケースもゼロではないでしょう。

人生長いので、とりあえずよく考えてから、独立を視野に入れても遅くありません。
自分の思う描く美容室像がイメージできているのなら、信頼できる美容師に相談してみましょう。
いい印象が感じられるのなら、独立してみてください。

ちなみに現在なら、店舗を構えないフリーランスという働き方もあります。
あなたの合った美容室を模索してみましょう。

美容師資格が活かせる別の職へ転身する

美容師そのものにストレスを感じるのなら、別の業種で転職する方向が良いでしょう。
ただしせっかく国家資格である美容師免許を持っているのなら、その資格を活かして転職してみましょう。

  • まつ毛エクステサロン
  • メイクアップアーティスト
  • エスティシャン

など

美容関係の仕事はたくさんありますが、美容師免許があると、施術の幅が広がります。
転職の際に重宝されやすいので、転職に役立つはずです。

もちろん美容師には、他の業種にはない強みがたくさんあります。
接客をしながら技術ができるので、特に美容師免許がなくても、その強みを生かした職種を見つけてみましょう。

美容室の離職率は高いけどお店次第!転職も視野に働こう!

美容室では、お客様とも美容師とも、人間か全て関わる特殊な仕事です。
しかも接客業をしながら技術も磨く必要があり、精神的なストレスも大きいでしょう。
その割に給料が低いなど、労働環境があまりよくないのが理由で離職率が高くなっています。

しかし、離職率が高いのはあくまで統計です。
美容室によっては働きやすい環境が整えられたお店もあるので、美容師を諦めるのではなくお店選びに専念してみてください。

またどうしても転職したいのなら、資格を活かすのもおすすめです。
過去のスキルが活かせられる職場なら、転職で困らなくなるので、今まで努力してきた内容をまとめてアピールするのがポイントですよ。
 

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メガネセキ美容室オーナー、ライター、元美容師

投稿者の過去記事

美容師として8年以上勤務。薬剤で手荒れがひどくなり、美容師を辞めて現在はWebライター。
地元で美容室を経営しつつ、Webの知識で集客も行っています。

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