ダメージメニューと呼ばれる程に、髪への負担が大きいストレートメニュー。
クセを伸ばしたいけれどダメージを蓄積したくない、という人も多いでしょう。
そんな人におすすめなのが、今美容業界で急速に広まっている酸性ストレートです。
この記事では酸性ストレートについてメリットやデメリットを徹底解説します。

酸性ストレートとは

酸性ストレートとは、酸性の薬剤を用いて施術するストレートメニューです。

通常のストレートパーマや縮毛矯正は、強いアルカリ剤を用いて施術を行います。髪の表面にはキューティクルという外部の刺激から髪の内部を守る層があり、これをアルカリ剤で開かないことには薬剤が浸透しないからです。

しかしアルカリ剤はキューティクルにダメージを与えるため、はがれ落ちてしまうこともあります。
そして、キューティクルを失った髪は内部の栄養流出を止められず、傷み続けてしまいます。

一方、酸性トリートメントは髪と同性質の酸性の薬剤を使用するので、キューティクルを開くことなく薬剤を浸透させることができます。
そのため酸性ストレートは、髪へのダメージを最小限に抑えたストレート施術が可能です。

酸性ストレートと縮毛矯正の違い

酸性ストレートと縮毛矯正は使う薬剤が違います。
酸性ストレートは髪と同じ酸性の薬剤を用いるのに対して、縮毛矯正は髪と正反対のアルカリ性の薬剤で施術を行います。

弱酸性の髪の毛にとって、アルカリ性の薬剤は大変強い影響を与えます。
そのため髪に大きなダメージを残してしまいますが、頑固なクセ毛や縮れたようなクセ毛も、しっかりとストレートにできるという特徴があります。

酸性ストレートと耐熱トリートメントの違い

酸性ストレートと同じく、美容業界に広まりつつあるのが耐熱トリートメントです。

耐熱トリートメントは、髪の結合に類似したトリートメント成分をヘアアイロンの加熱によって定着させる施術です。
髪に疑似結合ができることで、ダメージによるうねりやクセがストレートになることもあります。

酸性ストレートは髪をまっすぐにする目的で行うのに対し、耐熱トリートメントは髪のケアを目的としているのが大きな違いです。
耐熱トリートメントはあくまで、ヘアケアの副産物としてストレートになっているのです。

酸性ストレートのメリット

続いては、酸性ストレートのメリットを解説します。

メリット１ ダメージが少ない

酸性ストレートの大きなメリットとして、低ダメージで施術できることが挙げられます。
従来のストレートパーマや縮毛矯正と比べると、圧倒的に髪へのダメージが少ない施術が可能です。

ダメージが抑えられることで、カラーやパーマなどで傷んでしまった髪にも施術できる点も、酸性トリートメントの大きな魅力と言えます。

メリット２ 　ゆるいクセ毛をストレートにできる

これまでは、髪をストレートにしたい場合、強いクセ毛も弱いクセ毛もすべてアルカリ剤によるストレートパーマ、もしくは縮毛矯正がスタンダードな方法でした。

しかし弱いクセをストレートにしたい人にとって、ストレートパーマや縮毛矯正は髪へのダメージも大きく、仕上がりも直毛になり過ぎるといったデメリットが多かったのです。

酸性トリートメントなら、弱いクセやうねりを低ダメージで自然なストレートにできます。
これまでゆるいクセ毛に悩んでいた人にはぴったりの施術と言えるでしょう。

メリット３ 自然なストレートにできる

縮毛矯正は、髪が過剰に軟化したり、高温で施術することで不自然な直毛になったりすることも珍しくありません。
縮毛矯正をした後の、針金のように硬く真っ直ぐすぎる髪を好まない人も多いでしょう。

しかし、酸性ストレートなら髪をこのような問題を起こすことなく施術ができるため、自然なストレートヘアを作ることができます。

これまで、ストレートパーマや縮毛矯正で不自然な直毛になってしまうことを「仕方ない」と諦めていた人にこそ、試してみてほしい施術です。

メリット４ 他の施術に影響しにくい

アルカリ性のストレート剤や縮毛矯正剤で施術を行うと、キューティクルが開き、カラーの色素流出による色落ちや加温によるタンパク質の変性によってパーマが当たりにくくなることがあります。

酸性ストレートはキューティクルに干渉せずに薬剤を浸透させることができ、また過軟化によるタンパク質の変性を起こしにくいことから、カラーやパーマなど他の施術に影響しにくいのが特徴です。

そのため、カラーとストレートを両立したい人や、ストレートをして暫く経ったらパーマを当ててスタイルを変えたいという人にもおすすめです。

酸性ストレートのデメリット

酸性ストレートのメリットがわかったところで、デメリットについても詳しくみていきましょう。

デメリット１ ブリーチ毛などのハイダメージだとできないこともある

酸性ストレートは髪に負担をかけにくい薬剤を用いた施術ですが、ノーダメージというわけではありません。
すでにカラーやパーマなどでハイダメージになり、軟化してしまっている髪には施術できないこともあります。

とは言え、酸性の薬剤を使う分、アルカリ性のストレートパーマや縮毛矯正に比べると、受容できるダメージレベルは広いと言えるでしょう。

デメリット２ クセの強さによってはストレートにならないこともある

酸性ストレートは、ゆるやかなクセやダメージ、加齢によるうねりなどであればストレートにすることができます。

しかし、縮れたような強いクセ毛や毛が太くクセの強い髪の場合には、期待するほどの効果が得られないこともあります。

酸性ストレートで対応できるのか、アルカリ剤の縮毛矯正で対応すべきクセなのか等、経験豊富な美容師による見極めが必要と言えるでしょう。

デメリット３ 美容師の技術力や経験が仕上がりに出やすい

美容の施術は、殆どすべてが美容師の経験と感覚によって成り立っています。
ある程度の目安などはあるものの、薬剤の浸透率や効果を数値化することはできないため、美容師が目で見て触れて判断する必要があるのです。

特に酸性ストレートは新しい技術のため、これまでの経験や技術をフルに活用できる美容師に依頼したいところです。

同じ薬剤で施術したからといって、すべてが同じ仕上がりになる訳ではありません。
経験不足な美容師に依頼したために、思ったような仕上がりにならなかったという失敗談も多く聞かれます。

酸性ストレートは安いお店だと失敗しやすい？

酸性ストレートは話題の施術でもあるため、美容室によってはお客様を呼び寄せるためのツールとして宣伝していることもあります。
それ自体は何も悪いことではありません。

しかし酸性ストレートは複雑な施術で、本来高い技術力を要します。そんな施術を安い料金で提供している美容室の場合、経験の浅いスタイリストが担当するケースも多いでしょう。

安いという理由だけで、酸性ストレートを行うサロンを決めるのは大変危険です。
信頼できる技術や経験を持っている美容師に担当してもらえるのかを基準として選ぶのがおすすめです。

酸性ストレートの値段相場

酸性ストレートの値段の相場は、10,000～22,000円程の美容室が多いようです。

最低でも10,000円以上の施術となるので、あまりに相場からかけ離れている美容室を選ばないよう注意してください。

酸性ストレートの持ちは？

基本的に酸性ストレートは、一度施術をするとその効果は半永久的だと言われていますが、これに関してはアルカリ性のストレートパーマや縮毛矯正も同様です。

これまでにアルカリ性のストレートパーマや縮毛矯正をしたことがある人なら経験がある人も多いでしょうが、時間の経過によって施術した部分のクセやうねりが戻ってしまうことがあります。

これは珍しいことではなく、クセの強さや施術時の薬剤選定、技術のほか、ダメージによっても再発してしまうのです。

酸性ストレートも同様です。時間が経つことで根本から新しくクセのある毛が生えてくるうえ、毛先もダメージなどでうねりが再発してしまう可能性も大きいでしょう。

このことから、酸性ストレートの持ちはショートなら２～３ヵ月、ミディアム、ロングなら４～６ヵ月と言えます。

酸性ストレートは男性にもおすすめ

酸性ストレートは、自然なストレートやボリュームキープを得意としている施術です。そのため、男性にもおすすめの施術と言えます。

クセでセットがしにくい、収まりが悪いなどの場合、酸性ストレートを行うことで、自然なストレートヘアに仕上げることができるでしょう。

特に男性の場合、ストレートにした髪をさらにセットする機会も多くあります。
アルカリ性のストレートパーマや縮毛矯正ではセットが難しいため、酸性ストレートでボリューム感を活かせるストレートヘアにしたい、という人も少なくありません。

酸性ストレートで自然な艶ストレートを手に入れよう

酸熱ストレートのメリット・デメリットや縮毛矯正との違いについても詳しく解説してきました。

これまで、クセを伸ばすにはストレートパーマか縮毛矯正の選択肢しかありませんでしたが、新たに登場した酸性ストレートのおかげで自分の好みや髪質に合わせて選びやすくなりました。

自分の理想のストレートヘアにするには、どの施術を選ぶべきなのかをじっくりと担当美容師に相談することが大切です。
信頼できる技術力を持った美容師に依頼し、酸性ストレートで理想のストレートヘアを手に入れてください。