美容院ではすることのないカミソリでの剃毛は理容室ならではのサービスです。顔の毛を剃ってもらうのが気持ちいいからと理容室に通っている方も少なくないでしょう。しかし、カミソリがしっかりしていないと肌を傷つけてお客様の迷惑になってしまいます。今回は理容師にとって必需品であるカミソリのおすすめをいくつか紹介していきましょう。
Last Updated:2020/11/17
理容師の必需品カミソリを扱うには資格が必要
そもそもカミソリで行うシェービングというのは、お金をもらうという条件が発生してしまうと理容師としての資格が必要になります。美容師はカミソリを持つことを原則として禁止されているので、顔やうぶ毛の処理をしてもらいたいと考えている場合は、理容師が在籍する店舗に足を運ぶ必要がある、ということになります。
そもそも理容師法には、お客様の容姿を整えて清潔にすることを業務にすると定められているので、顔の毛やうぶ毛の処理も清潔にする一環としてカミソリの所持が認められています。
美容師はというと、美容師法にパーマやカラー、結髪、化粧で容姿を美しくすることを業務とすると定められているので、毛の処理は該当しません。また、顔の毛やうぶ毛を剃るという行為にはかなりの修練が必要であるため、理容師の資格をもっている方は信頼の証として考えても良いでしょう。
カミソリの歴史
現在では理容師が行うカミソリはステンレス製の日本剃刀が一般的です。正確に言えばステンレス製の日本剃刀は西洋カミソリと言われる部類になります。本当の日本剃刀というのは1,000年以上の歴史ある鍛冶技術を形にしています。
理容師が持つ品質の高い日本剃刀は、皮膚に触れるだけで切れてしまうほどの切れ味というのは中々再現するのは難しいことからも、日本剃刀の技術が洗練されていることがわかるでしょう。その違いというのは鋼でできており、刃が分厚く重みがある点にあります。
また、鋭さを自分で調整でき、肌へのダメージが少ないことから日本剃刀を愛用している理容師も中にはいるのです。
ただ、日本剃刀というのはメンテナンスが難しく、研ぎという工程を行わなければ品質が低下し、錆びてしまうといったことが起こってしまいます。そのメンテナンスの難しさゆえに西洋カミソリを採用している理容室が多いようです。
西洋カミソリが伝播してきたのは明治時代で、現在では先ほども言ったようにステンレス製のカミソリが普及していきました。
実は西洋カミソリも替え刃をせずに研ぐことによって切れ味をキープすることが主流でしたが、現在のステンレス製の西洋カミソリは替え刃タイプのものが多くなっているため、「研ぐ」という工程がなくなっているのが現状です。
やはり刃を研ぐという工程にはかなりの技術が必要であるため、お客様の髪を整える、顔やひげ、うぶ毛を剃る、というサービス以外の面でも技術習得を省略できる替え刃タイプはコスト的にも抑えられるという考え方でしょう。
理容師が使用するカミソリの種類
現在では素人が使っても安全なように電気シェーバーや3枚刃・5枚刃などのT字カミソリが普及しています。しかし、理容師が使用しているカミソリというのは電気やT字を使うことは一切なく、1本タイプの鋭い刃のカミソリが特徴的です。
この理容師が持つカミソリの刃というのは先ほども説明したように、日本剃刀であればかなり切れ味が鋭く皮膚に刃をのせただけでも切れてしまうほどなので、一度切れ味を落として使うことになります。
現在主流となっているステンレス製の西洋カミソリであっても切れ味は高く、一度切れ味を確かめてから行うものも多いです。
理容師が使っているカミソリを何点か、周辺商材も含めて紹介していきましょう。
そのまま煮沸消毒をすることができるタイプのカミソリで、耐熱・耐薬品性のあるホルダーです。また、ヘッドは分離することができる使いやすいスタンダードタイプのカミソリといえます。
サロン価格 | 7,000円 |
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商品番号 | 102918 |
ホルダーごと煮沸消毒が可能で、耐薬品・耐熱性のある日本剃刀。刃というのは衛生面において敏感になっておかなければ肌を傷つけてしまうことになるため、煮沸消毒ができるカミソリを選ぶのが望ましいです。
また、顔そりやうぶ毛を剃る場合、そのまま剃るわけではなくシェービングソープ・フォーム・クリームなどを使用することになるのですが、できれば肌に優しい保湿成分など配合しているのがおすすめといえます。
メーカー | フェザー |
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ブランド | プレーナ |
サロン価格 | 12,000円 |
商品番号 | 88369 |
ザクロ種子エキスとアスタキサンチン配合で肌に優しい顔剃りを実現したシェービングソープです。
メーカー | サニープレイス |
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ブランド | アスタキザクロ |
サイズ | 500ml |
サロン価格 | 1,000円 |
商品番号 | 96926 |
ひげブラシ、ラザーミキサーとどちらでも使える有用性で、液体タイプのシェービングクリームです。泡持ちがよく剃りやすい無香料タイプ。
シェービングをする際にどのような潤滑剤を使用しているかによってもお客様の肌に影響が出てしまいます。しっかりとこだわりたいのであれば、保湿成分が含まれているものや泡持ちが良いものを選ぶようにしましょう。
メーカー | レイナカンパニー |
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ブランド | ミュナス |
サイズ | 500ml |
サロン価格 | 980円 |
商品番号 | 85386 |
カミソリのメンテナンス
替え刃タイプのカミソリを使っている方にとってはメンテナンスはほとんど必要ありませんが、替え刃タイプではない従来のカミソリを使用している方は毎日のメンテナンスは欠かせないと言っていいでしょう。
では、メンテナンスをする場合はどのような方法を用いているのか、一般的な方法を紹介していきます。
用意するもの |
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- まず、砥石を水で濡らし、日本剃刀も一緒に濡らしていきます。
- そこから表の刃を砥石につけ、切刃を垂直にして研いでいきます。研いでいるとどうしても砥泥が出てしまうので、その都度タオルで拭き取ってあげましょう。
- 表の刃が終われば裏の刃も研ぎますが、表と同様に優しく研いであげてください。
簡単な説明となっていますが、実はこの工程で納得のいく研ぎ方になるまでには、かなりの修練が必要になります。自分に合った研ぎ方や好みの鋭さというのは人によって千差万別です。メンテナンスは基本的に毎日仕事が始まる前に行う必要がありますが、鋭さがにぶっていなければそのまま使うという方もいるようです。
カミソリの刃の状態は日々観察
カミソリは使わないと錆びてしまうのでしっかりと刃の状態を観察することが必要となります。そうなると、自分でメンテナンスをするのが困難なので自然と替え刃タイプのカミソリを使用していく人が多くなってしまうのは不思議なことではありませんね。
カミソリはこまめな消毒を
カミソリを使用した後というのは消毒をするのが一般的です。皮膚には常に菌が棲み着いているため、刃の隙間に菌が付着した状態で毛を剃ると炎症の原因になってしまうからです。毎日熱湯を用いて煮沸消毒をすることは、接客をする上での最低限のマナーとして覚えておかなくてはいけません。
研ぎ方が難しい場合は研ぎ師にお願いする
刃の研ぎ方が難しいという方は、プロの研ぎ師がいますので委託するのも上手なメンテナンス法のひとつです。プロの研ぎ師は研ぐことに特化している分、慣れていない人がメンテナンスするよりも格段に上質な仕上がりになります。
カミソリの質にこだわりたいということであれば、替え刃ではない日本剃刀を使用し、慣れるまではプロに委託するということを視野にいれておいたほうが良いでしょう。
カミソリはしっかりとメンテナンスをして最高のパフォーマンスを!
肌に刃が直接触れてしまうので、しっかりとメンテナンスをしなければお客様の肌を傷つけてしまい、思わぬクレームへと発展する可能性があります。なによりお客様が安心できるように、カミソリは品質の高いものを選び、日々のメンテナンスは怠らないようにしましょう。