着付け技能士

着付け技能士は美容師にとってメリットあり?着物を着る機会の多いシーズンに大活躍の資格の取得方法

普段から着物を着る機会がある方は多くはありませんが、それでも成人式や結婚式などまだまだ着物が活躍する場面は残っています。美容室で着付けができると着物を着るときのヘアセットとともに行えるので、美容室での需要は十分にあります。今回は着付け技能士という着付けの技能を認定する国家資格を紹介しますので、美容師のスキルアップとして取得してみてはいかがでしょうか。

着付け技能士とは

着付け技能士とは

着付け技能士とは、厚生労働大臣の指定により、全日本着付け技能センターが2010年より実施している「着付け技能検定」に合格することで取得可能となる国家資格のことを指します。

働く人々の技能と地位の向上を期待して、職業能力開発促進法に基づいて実施される資格となります。

他装(他人に着物を着付ける業務)に係る技能の向上及び他装業務に従事する者の経済的社会的地位の向上を図るとともに、消費者が選択する際の指標を示し、消費者利益の擁護に資することで、着付け技能の振興、発展に寄与することを目的とする。

引用元 全日本着付け技能センター

「着付け技能検定」には1級と2級の2種類があり、1級の試験のほうがより詳しい着付けに関する知識と技能が必要です。

着付け技能士は美容師に必須?

着付け技能士は美容師に必須?

お正月や成人式の時期になると、美容室でもヘアセットと共に着付けの依頼がくることもよくありますよね。

浴衣なら自分で着ることができても、より着方が複雑となる着物をひとりで着ることができる若い女性はとても少ないです。だからこそ、ヘアセットだけでなく着付けもできる美容師はどこにいっても重宝されることになります。

しかし、美容師の方がお客様に着付けを行うには「着付け技能士の資格が要るのでは?」と心配に思うかもしれません。資格をもっていないのに、美容室のメニューに「着物の着付け」を掲げてもいいのか迷ってしまいますよね。

そこで、着付け技能士について、美容師の方に関係が深い項目に注目して紹介を行っていきます。

資格がなくても着付けはできる

国家資格である着付け技能検定に「合格するのは難しそう…」と感じる方もいるかもしれません。

でも、大丈夫です。美容室で着付けを行う際に資格が必ず必要となるわけではありません。

そもそも着付け技能士の資格を取得するためには、実務経験年数が求められるので、資格を所有せず、他装や着付け指導の勤務に決められた期間働く必要が出てきます。したがって、「美容室で着付けを行うには資格が必要なのか?」と問われたら、答えは不要ということになります。

美容室だけに限らず、着付けを必要とする着物屋さんや写真館などの求人を見ても、資格所有者を限定して募集していることは少なく、多くの場合は「経験者優遇」と掲げていることがほとんどです。

場合によっては「未経験者歓迎」と書かれていることもあり、着付けに関する資格があることが重要視されるシーンはさほど多くはありません。

このように資格がなくても着付けをお客様に行うことはできるので、着物を着せる知識と技術さえあれば美容室のメニューとして掲げることが可能です。

合格してはじめて「技能士」と名乗ることができる

着付け技能士の資格がなくても、着付けに関する実務が可能ならば、そのまま「資格を取得せず働いていてもいいのでは?」という気がしてきますよね。しかし、着付けをする機会が多いのであれば、やはり資格を取得しておくことをおすすめします。

着付けに関する資格を所有していなくても、美容室でお客様に着付けを行うことができますが、『着付け技能士』と名乗るためには着付け技能検定を取得しておかなければいけません。着付け技能検定に合格していれば、『着付け技能士』と肩書として掲げることができるので、自分のセールスポイントにすることができます。

資格があったほうが再就職をする際に優遇される場合もありますし、美容室で使う名刺に『着付け技能士資格所有』と明記しておくとお客様の安心にもつながるからです。周りと差を付けることにも成功するので、着付けをする機会がよくあるのであれば、資格取得を視野に入れていきましょう。

着付け技能検定の試験内容

着付け技能検定の試験内容

ここからは、着付け技能検定の内容についてお話ししていきます。着付け技能検定を受けるための受験資格などを見ていきましょう。

学科試験・実技試験

学科試験
1級 2級
  1. 着物の知識及び名称
    (1)着物の歴史(服飾史)
    (2)着物の各部の名称及び寸法
    (3)文様
  2. 男女の着物の違い
  3. 着物のたたみ方
  4. 繊維の知識
  5. 着物の織物及び染物
    (1)織物の知識
    (2)染物の知識
  6. 着物の着用時季
  7. 着物の格
    (1)着物の用途別種類及び柄づけによる格の違い
    (2)家紋
  8. 帯の種類(織帯及び染帯)
  9. 着付小物及び装身小物の種類及び用途
  10. 着物、帯及び小物の合わせ方
  11. 着付けの心得、作法及び技法
  12. 関係法規
    美容師法(昭和32年法律第163号)関係法令のうち、着付けに関する部分
  1. 着物の知識及び名称
    (1)着物の歴史(服飾史)
    (2)着物の各部の名称及び寸法
    (3)文様
  2. 男女の着物の違い
  3. 着物のたたみ方
  4. 着物の織物及び染物
    (1)織物の知識
    (2)染物の知識
  5. 着物の着用時季
  6. 着物の格
    (1)着物の用途別種類及び柄づけによる格の違い
    (2)家紋
  7. 帯の種類(織帯及び染帯)
  8. 着付小物及び装身小物の種類及び用途
  9. 着物、帯及び小物の合わせ方
  10. 着付けの心得、作法及び技法
  11. 関係法規
    美容師法(昭和32年法律第163号)関係法令のうち、着付けに関する部分
実技試験
1級 2級
次に掲げる着物について定められた時間内で着付けができること。

  • 浴衣
  • 街着
  • 付下げ
  • 訪問着
  • 付下げ訪問着
  • 色留袖
  • 黒留袖
  • 中振袖
  • 紋服(羽織・袴)
次に掲げる着物について定められた時間内で着付けができること。

  • 浴衣
  • 街着
  • 付下げ
  • 訪問着
  • 付下げ訪問着

引用元 試験科目と範囲|全日本着付け技能センター

2級では着物についての基本的な知識を所有していることが原則です。着物の畳み方や、各年齢に合わせた着付けや帯の結び方が出来るかなどをチェックされます。基本とされる帯の結び方だけでも10種類以上もあるので、覚えることは盛沢山です。

1級はさらに踏み込んだ知識が学科試験でも実技試験でも必要となります。学科試験では繊維についての知識まで問われるのでよく勉強しておかなければいけません。実技試験では短い時間の中で準備から着付けまで終えていかなければならないので、焦らず丁寧に着付けをする練習をしておくといいですね。

実技試験で必要な着物の道具一式やモデルも自分で調達することとなります。それだけでもかなりの準備が必要なので、協力してくれる方を見つけてから試験の準備などに取り組むと安心です。

受験資格と受験料

学科試験資格(単位:実務経験年数※1
受検対象者(※2 学科試験の受検に必要な実務経験年数
1級 2級
実務経験のみ 5 1
(2級合格者)
2
専門高校卒業 4 0
大学・短大・高校専攻科卒業 3 0
専修学校又は
各種学校卒業
800時間以上 4 0
1600時間以上 3 0
3200時間以上 2 0
短期課程の
普通職業訓練修了
700時間以上 4 0
普通課程の
普通職業訓練修了
2800時間未満 3 0
2800時間以上 2 0
美容師免許取得 2 0

※1:実務経験とは、他装又は着付け指導の業務に携わった経験をいう。また、実務経験年数は、受検対象者欄に掲げる卒業、修了又は免許取得の後の実務経験の年数をいう。
※2:着付け職種に関する学科又は訓練科(美容科、着付け科、和裁科、被服科等)に限る。

引用元 全日本着付け技能センター

実技試験資格

同級又は上位級の学科試験の合格者
(学科試験に合格した日の翌日から起算して、2年を経過する日の属する年度の末日までに行われる実技試験を受検する場合に限る。)
同級又は上位級の学科試験の免除者

引用元 全日本着付け技能センター

受験料
  学科試験 実技試験
1級 8,900円 18,500円
2級 8,900円 16,700円

※積算根拠

美容師免許があれば、2級は実務経験がなくても即受験可能となります。就職前に2級の資格を予め取得しておくのもいいですよね。

着付け技能士の資格があれば、自分の武器となります。セールスポイントがあれば集客にもつながっていくので、使えるものは使うという意識でぜひ資格取得にも取り組んでみてください。

そして1級は実務経験が2年間あれば受験することができます。1級でも2級でもどちらでも着付け技能士と名乗ることができるので、2級の取得だけでもいいのですが、自らのスキルアップにもなるので、ぜひさらなる高みを目指していきましょう。

学習方法

着付け技能士の勉強方法についてですが、対策問題集のようなものは発売されておりません。公式ホームページに過去3年分の学科試験と実技試験の過去問題が掲載されているのでそちらを参考にして勉強するのがおすすめです。

出題傾向や試験のイメージトレーニングをすることができるので、過去問題は必ずチェックするようにしておきましょう。

それを踏まえた上で、他に出来る対策としては、

  • 試験対策を行っている学校に通う
  • 通信講座を受講する

などが挙げられます。

美容師の仕事のスケジュールに余裕があれば学校へ通うのもひとつの手ですが、なかなか難しいという場合は自分のペースで進めることのできる通信教育を利用するのもよいでしょう。

また、美容師の方を対象に研修会を行うこともあるので、自分が参加出来そうなところがないかマメに情報収集しておくのがおすすめです。

もし、身近に着付け技能士の資格を取得した方がいれば、どうやって試験対策をしたのかを聞いて参考にするのもいいでしょう。リアルな意見が聞ける分、勉強をする時に役に立ちます。

着付け技能検定の合格率

着付け技能検定合格を目指すときに気になるのがその合格率だと思いますが、こちらは情報の公開がされておりません。受験者数、合格者数など全てが非公開となっているので、試験問題の難易度などが把握しづらいのです。

まずは公式ホームページの過去問題で試験のイメージを知り、ネットなどで実際に資格取得した方の口コミを集めてみるといいでしょう。実際に試験を受けてみた感想など生の声があった方が試験対策ができるので合格にもつながっていくはずです。

情報非公開の項目が多いとなかなか試験の合格もイメージしづらいかもしれませんが、活かせる情報を力に代えて頑張っていきましょう。

国家資格以外の民間資格

国家資格以外の民間資格

着付け技能士は国家資格ですが、国家資格はハードルが高いと感じる場合は、国家資格以外の着付けに関する民間資格を目指すのもひとつの方法です。

着付けに関する民間資格は、着物教室が独自で実施している場合が多く、取得したい資格を実施している着物教室に生徒として通って決められたカリキュラムを終えることで取得できる流れとなっていきます。

民間資格なら実務経験が不問ですし、通学して勉強していけば資格取得ができるので、すぐに資格取得を目指したいという方におすすめです。国家資格ほどの信頼性はなくなってはしまいますが、民間の資格でも取得できれば肩書として名乗ることができるので、とっておいても損がないと言えます。

これから着付けに関する民間資格にはどのようなものがあるのかを紹介していくので、参考にしてみてください。

着物免許

京都きもの芸術文化協会が発行している民間資格です。ハクビ京都きもの学院に通って指定の教育課程を修了すると、免許を取得できるという運びとなります。

着物免許は5級から1級までのランク制となっていて、初心者の方は5級から取得していきます。4級になると国際文化教育協会が発行している着物国際免許を取得でき、3級だと着付け教室を開くまで可能となるのです。

他装を行う着付け師は2級以上の資格取得が必要です。1級まで目指すのももちろんよいですが、美容師として着付けの技術を手に入れたいのであれば、着付け師として認められる2級で十分と言えるでしょう。

公式サイト:ハクビ京都きもの学院

きもの講師

長沼静きもの学院で定められたカリキュラムを終えることで取得可能となる資格です。こちらは日本和装教育協会という団体が実施している民間資格となります。

3級、2級、準1級、1級、と4段階に分かれており、簡単な着付けの技術を身につけることができる3級から徐々に難易度が上がっていき、2級から他装ができると認められるようになります。したがって、2級を取得しておけばOKなのですが、2級は振袖の着付けまでとなってしまいます。

礼装の着付けが学べるのは準1級からとなるので、着付けの幅を広げるためにも準1級まで取得しておくと、仕事で着付けを行う際に資格を活用しやすくなりますよ。

公式サイト:長沼静きもの学院

着付け師

鈴乃屋きもの学院のカリキュラムを終えることで取得可能となる資格です。文部科学省認可の財団法人セイコきもの文化財団が実施している民間資格となります。

こちらは「一般コース」「短期コース」の2種類があり、試験を受けるわけではなく、決められた期間レッスンに通うことで取得できる資格です。「一般コース」で2年間、「短期コース」でも1年1ヶ月は受講することとなるので、じっくりと学んで技術を身に着けていきたい方に向いている資格となります。

公式サイト:鈴乃屋きもの学院

着付けでメニューの幅を広げ集客アップを!

着付けができれば成人式や七五三、婚礼シーズンなどイベントの機会に集客につなげていくことができます。ヘアケアやヘアセットに対する知識や信頼が得られれば、着付けをきっかけに顧客となってくれる可能性も十分にあるので、ぜひチャンスとして活かしていきたいところです。

着付け技能士の資格や他の民間資格を取得していれば、自身のセールスポイントにもつながっていきます。日本人の着物離れがすすむ昨今、オンリーワンのサービスを提供できるきっかけともなるでしょう。

美容室で着付けをする機会があるのであれば、お客様の信頼をさらにアップさせるためにも、資格取得を検討してみてください。


 
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