身近な人からフっと頭皮の臭いを感じて不快な気分になったことはありませんか？ しかし自分でも気付かないうちに、不快な頭皮の臭いを発していることがあるかもしれません。
気付きにくい頭皮の臭いは、原因を理解して適切な方法で解消していきましょう。
この記事では、頭皮の臭いが臭い原因やシャンプーによる対処方法などを解説しています。

【自覚がないことも？】
頭皮の臭いをチェックしてみよう

頭皮から発する嫌な臭いは自分では気付きにくく、枕やタオル、帽子など、頭に接しているものから臭いを感じてようやく気付くという人もいます。
また、満員電車や混雑したエレベーターの中など、普段よりも距離が近付くことで、知らずのうちに周囲の人を不快にさせていることがあるかもしれません。

まずは、以下の方法で自分の頭皮から嫌な臭いがしていないかチェックしてみましょう。

シャンプーをして寝たにもかかわらず翌朝枕から嫌な臭いがする場合は、周囲の人も気付くレベルの臭いを発している可能性があります。

頭の臭いに影響する３つの要素

頭の臭いの原因は以下の３つです。

●汗
●皮脂
●雑菌

これらの要素が複雑に絡み合うことで、頭皮の臭いが発生していると言えます。中でも汗や皮脂は雑菌の餌になり、繁殖をさらに促してしまいます。

頭皮が臭う５つの原因

続いては、頭皮が臭い原因５つを具体的に紹介します。

原因１　頭皮はもともと皮脂が出やすい

皮脂の分泌器官である皮脂腺は、体中のさまざまな部分にあります。
その中でもっとも多いのは、毛穴を包む毛包に繋がって皮脂を分泌する毛包腺です。つまり、毛が多く生えている部分には、それだけ皮脂腺も多いということになります。

頭は体の中でも毛量が多く、皮脂腺の数も他の部位に比べると桁違いです。一般的に顔も皮脂が出やすい部位だと言われますが、頭皮にはその約２倍の皮脂腺があるとされています。そのためケアを怠ると、他の部位に比べて臭いが出やすいのです。

原因２　頭皮が乾燥しているから

乾燥肌の人や何らかの原因で頭皮が乾燥しがちな人は、臭いが出やすいと言えます。これは、皮膚を乾燥から守るため皮脂が過剰に分泌されることが原因です。

「いつも頭皮や肌がベタベタしている」という人は、乾燥肌であることも少なくありません。ベタつくからといって頻繁にシャンプーなどを行なうと、余計に乾燥が進行して皮脂の分泌量が増加していきます。

過剰に分泌された皮脂を餌に雑菌が繁殖していくため、適切なケアを行なわなければ頭皮の臭いは徐々に強くなってしまうでしょう。

原因３　体質的に皮脂を過剰分泌してしまっているから

体質的に皮脂を分泌しやすい人もいます。その場合、適切量の皮脂を取り除かなければ、過剰に分泌された皮脂によって頭皮に臭いが起こります。

また、偏った食生活やストレスなどによっても皮脂が分泌するようになります。現代社会ではこのような人が多いことから、皮脂を分泌しやすい体質になってしまっている人も少なくないと言えます。

原因４　加齢によって皮脂の分泌が増えるから

40代以降の場合、加齢によって皮脂の分泌量が増える場合があります。さらに皮脂腺から特殊な物質を含んだ皮脂が分泌されると体臭が強くなりますが、これがいわゆる「加齢臭」です。
加齢臭は一般的に「ノネナール」という物質を含む体臭を指し、青臭さや油臭さを感じるのが特徴です。

加齢臭は普段の生活では気付きにくいため、自覚のない人が多い傾向にあります。枕の臭いなどをチェックするとわかりやすいので、「もしかして加齢臭で頭皮が臭っているかもしれない」と思う人は、まず確認してみてください。

原因５　病気によって臭いが起きているから

頭皮の臭いの原因には病気に由来しているものもあります。特に、脂漏性皮膚炎や粉瘤（皮膚下に老廃物が蓄積してイボのようになる疾患）は臭いの原因になりやすい皮膚疾患と言えます。

そのほか、糖尿病や甲状腺亢進症、パーキンソン病なども、頭皮の臭いが強くなる疾患です。

【やってはいけない】
頭皮が臭い人に多くみられるNG行動

頭皮が臭い人の多くが、むしろ臭いの原因を作ってしまうNG行動をとっていることもあります。

以下に心当たりのある人は、知らずのうちに頭皮の嫌な臭いを発している可能性が高いかもしれません。

１日に何度もシャンプーする

仕事終わりやプライベートタイムを楽しんだ後、朝シャン、寝る前など、１日に何度もシャワーを浴びてその都度シャンプーをしていませんか？
シャンプーをするとスッキリした感じがしますが、洗浄成分によって毎回皮脂が取り除かれ、頭皮の乾燥を招いています。

頭皮が乾燥し過ぎるとそれを補うためにかえって皮脂が過剰に分泌され、臭いの原因になってしまいます。１日に何度もシャンプーをするのは控えるようにしましょう。

シャンプーをしっかりすすげていない

１日に１度しかシャンプーをしない人でも、頭皮が臭うことがあります。この場合、シャンプーのすすぎ残しによるものと考えられます。

頭皮に残ったシャンプーは皮膚炎などを引き起こし、皮脂の分泌量が増えることで頭皮の臭いを招きます。トリートメントやコンディショナーなども同様に、すすぎをしっかり行なわないと雑菌が増殖するなど頭皮トラブルの原因になります。

シャンプーやトリートメントなどは、十分に洗い流すようにしてください。

濡れた髪をそのまま放置する

雑菌は湿度の高い環境を好みます、特に洗髪後の湿った頭皮は雑菌にとって最高の環境と言え、濡れた状態で放置してしまうとみるみるうちに雑菌が増殖していきます。

特に髪が短い人はタオルドライだけで済ませてしまうケースが多いため、頭皮の臭いを引き起こしてしまう傾向があります。ドライヤーを使ってなるべく早く乾かすようにしてください。

肉などのタンパク質ばかり食べる

食べ物が汗や皮脂の臭いに影響を与えることもあります。特に動物性の脂質をはじめとするタンパク質や糖質の過剰な摂取は、嫌な臭いを発しやすくなるので注意しましょう。

近年、食生活の欧米化により、昔に比べて不快な体臭を発する日本人が増えてきています。食生活を見直し、野菜とタンパク質のバランスが取れた食事を意識して摂るようにしましょう。また腸内環境を改善する乳酸菌を含む食品、抗菌効果の高い緑茶、ポリフェノールを豊富に含むワインなどは、体臭改善の効果が期待できると言われています。

十分な休息を取らない

ストレスや睡眠不足によって自律神経が乱れると、新陳代謝が悪くなり不要な皮脂を排出しにくくなります。すると残った皮脂が酸化して、嫌な臭いを発する原因になります。

またストレスは男性ホルモンを誘発するため、活性化した男性ホルモンの働きによって過剰に皮脂を分泌しやすくなることも、頭皮の嫌な臭いの原因となります。

頭皮の臭いを解消するおすすめのシャンプー方法

頭皮の臭いを解消するためには、毎日の適切なケアが欠かせません。

続いては、おすすめのシャンプー方法を紹介します。

STEP１　ブラッシングをする

まず、シャンプーの前にブラッシングで髪のもつれを解き、フケや汚れなどを表面に掻き出します。
ブラシが頭皮に当たることでマッサージ効果が期待でき、血流がよくなって代謝不良による皮脂が酸化したような嫌な臭いも軽減しやすくなるでしょう。

ブラッシングに使うブラシは目が細かく、肌当たりの心地よいものを選ぶのがポイントです。

エスハートエス スカルプブラシPLUS

STEP２　髪を濡らす

髪を濡らす際は、しっかりと頭皮までお湯を行き届かせることを意識しましょう。髪が十分に濡れていない状態ではシャンプーが泡立ちにくく、泡によるクッション効果が得られずに髪や頭皮にダメージを与えてしまいます。

普段から泡立ちにくい人、ワックスやスプレーなどのヘアスタイリング剤を使っている人は、少量のシャンプーを手に取り、髪に軽く馴染ませた後に流してみてください。
髪を覆っている過剰な皮脂やスタイリング剤が落ちて、お湯が行き届きやすくなります。

STEP３　シャンプーをする

しっかり髪を濡らした後は手のひらに適量のシャンプーを取り、軽く泡立ててから頭皮を中心に洗っていきます。
指の腹を使って頭皮をマッサージするように洗うのがポイントです。

ガシガシと搔いてしまうと、洗うどころか皮膚に目には見えない傷をつけてしまうことになりかねません。指の腹を頭皮に沿わせるだけでも汚れは十分落ちるので、「洗う」というよりも「マッサージする」という意識でシャンプーをするようにしてください。

ルベル ジオ スキャルプシャンプー

タマリス ルードブラック スキャルプシャンプー

STEP４　すすぐ

シャンプー後は十分にすすぎましょう。残ったシャンプーは雑菌の餌となって頭皮の嫌な臭いを増長する原因になります。

特に耳の後ろや襟足、顔周りなどはすすぎ残しやすい場所です。しっかりとすすぎましょう。

STEP５　スカルプトリートメントをする

頭皮の臭いが気になる人は、スカルプトリートメントを使うのがおすすめです。スカルプトリートメントは頭皮専用のトリートメント剤で、頭皮にしっかりと塗布することで効果を発揮します。

シャンプーの時と同じように、指の腹を使ってマッサージしながら塗り込んでいきましょう。髪の長い人やもつれが気になる人の場合は、スカルプトリートメントを頭皮に塗布し、毛先は通常のヘアトリートメントを使ってもOKです。

ナンバースリー ミュリアムクリスタル 薬用スカルプトリートメントR

資生堂 ザ・ヘアケア アデノバイタルスカルプトリートメント

STEP６　すすぐ

スカルプトリートメントをすすぐ際には、乳化させることでしっかり落とすことができます。
まず手に少量のお湯を付け、頭皮に塗布したスカルプトリートメントをゆるめるイメージで馴染ませていきます。

STEP７　ドライする

洗い終わった後は、すぐにタオルドライをして十分に水分を拭き取ります。
頭皮用のアウトバスローションなどを使う際は、このタイミングで塗布するのがよいでしょう。

タオルドライ後は、ドライヤーで頭皮を中心に十分に乾かしてください。

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毎日洗っているのに頭皮が臭い場合は？

毎日適切な回数のシャンプーを丁寧に行なっているのに、頭皮から嫌な臭いがしているという人は、シャンプーによって皮脂を落とし過ぎている可能性もあります。
そこでおすすめなのがお湯シャンプー（湯シャン）です。

お湯シャンプー（湯シャン）は、シャンプー剤を使わずに頭皮を清潔に保つ洗い方です。

実は、頭皮や髪の汚れはシャワーだけでも8割程度落ちると言われています。お湯だけで丁寧に頭皮を洗うことで、皮脂の落とし過ぎを防ぎ、頭皮の臭いの軽減効果が期待できるでしょう。

ただし、ヘアスタイリング剤や排気ガスなどを含む科学的な汚れまでは落とすことができないため、下のリンクを参考にして正しい方法で行なってください。

頭皮の臭い対策にスプレーを使うのはあり？

近年、頭皮の臭い対策としてスプレータイプのスカルプケアアイテムが人気です。
手軽に使えるスプレータイプは、勝手が良く好まれる傾向にありますが、製品選びには注意が必要です。

頭皮の臭い対策スプレーには、殺菌タイプと保湿タイプの２種類があります。
自分の頭皮の状態をよく見て、雑菌が原因なら殺菌タイプ、乾燥などが原因なら保湿タイプを選ぶようにしてください。

頭皮が乾燥しているのに殺菌タイプを使うと、乾燥を助長してしまう可能性があります。まずは自分自身の頭皮の状態や臭いの原因を理解することから始めましょう。

田村治照堂 DNA スカルプミスト

頭皮の臭い対策をしよう

頭皮の臭いを含む体臭は、自分ではなかなか気付きにくいものです。
しかし、周囲の人を知らず知らずの内に不快にしていることもあるため、エチケットとして常に気にかけておきたいものです。

今回紹介した頭皮の臭いの原因やシャンプーの方法などを参考にして、早速頭皮の臭い対策を始めてみましょう。