「毎日スキンケアは欠かさないのに、なぜか毛穴が目立ってメイクもいまいち綺麗に仕上がらない」と悩みを抱えている方も少なくないでしょう。
毛穴悩みは老若男女問わず生じます。ここでは、毛穴詰まりの原因や解消方法、またそれらを放置してしまった場合のリスクなどを解説します。
毛穴悩みが解消されれば、メイク映えすること間違いなしですよ。

毛穴詰まりのタイプ

顔の毛穴は体の毛穴よりも皮脂腺が大きいため、目立ちやすくなります。
特に、皮脂分泌量の多いTゾーン（額から鼻）はほかの部分よりも毛穴詰まりが生じやすく、「イチゴ鼻」などと例えられるほど悪化するケースもあります。

毛穴詰まりには以下の２パターンがあり、それぞれの対処法を早めに施すことが大切です。

毛穴詰まりが起こる原因

毛穴詰まりが起こる原因はいくつかあります。
体質や加齢のほか、生活習慣なども十分に影響を及ぼします。

毛穴詰まりでお悩みを抱えている方は、スキンケアと並行して生活習慣も見直すことが大切だと言えるでしょう。

皮脂の過剰分泌

毛穴詰まりと聞いて、ほとんどの方が真っ先に思い当たる原因は「皮脂」ではないでしょうか。
特に、ニキビのできやすい思春期や、ホルモンバランスが乱れる生理前なども皮脂分泌が過剰になるため、毛穴は開きやすくなり、毛穴詰まりに発展してしまいます。

また皮脂の過剰分泌は、「男性ホルモン量」の分泌とも関係しています。男性ホルモンが多い人ほど皮脂量が多く、ニキビなどの皮膚トラブルを起こしやすくなります。

加齢による弾力低下

年齢を重ねると、真皮層という部分にある「コラーゲン」や「エラスチン」の機能が低下します。そのため、肌のたるみが生じ弾力が低下します。

弾力が低下すると毛穴が縦に開きやすくなり、さらに角栓ができると余計に目立つようになります。

ターンオーバーの乱れ

肌が生まれ変わる周期であるターンオーバーが乱れると、古い角質がなかなか排出されずに、毛穴に蓄積されてしまいます。

ターンオーバーの乱れは、間違ったスキンケアや、寝不足、ストレスなども関連しています。

肌やメイクの汚れ

肌やメイクの汚れが落としきれていないと、その汚れが塊になり角栓の元になってしまいます。
そのため、クレンジングや洗顔はどんなに忙しい日でもしっかり行なう必要があります。

またクレンジング不足は、色素沈着と言って、角栓や酸化による黒ずみとは別の黒ずみに発展することもあります。

マスク生活による影響も

ウイルス対策に欠くことのできなかったマスクも、肌にとってはあまり良くない環境でした。

マスク内はいつも蒸れた状態で、外した時に一気に水分蒸発が生じやすく、乾燥します。
また、マスクの摩擦が皮脂を活発に分泌させるなど、毛穴詰まりをエスカレートさせてしまいます。

毛穴が詰まりやすい人の特徴

毛穴の詰まりやすい人は、以下のような体質や生活習慣が挙げられます。

皮脂が多い肌質の人

生まれつき皮脂腺が活発で、皮脂量が多い方もいます。
また、思春期などの一時的な期間だけ皮脂量分泌が盛んな方もいるでしょう。

過剰皮脂は角栓の主な原因となるため、過剰皮脂を抑制させることが大切です。

ストレスを抱えがちな人

ストレスは、睡眠不足や食欲低下などをもたらします。
そのため、古い角質を排出させるためのターンオーバーのサイクルも乱してしまうでしょう。

食生活が偏っている人

仕事などで忙しく、外食する機会が多い方は、脂質の多い食事を摂りがちです。
また、ジャンクフードやスナック菓子なども油分が多いため、皮脂分泌を過剰にさせてしまいやすいと言えるでしょう。

毛穴が詰まりの放置で起こりうる肌トラブル

毛穴詰まりを放置してしまうと、以下のような肌トラブルに発展するおそれがあります。
こうした二次的トラブルにまで進行してしまうと、元の肌を取り戻すことが難しくなります。

毛穴の黒ずみ

毛穴の皮脂や古い角質などの詰まりを放っておくと、酸化が進み、黒ずみとなります。

特に、紫外線の当たりやすい小鼻付近の毛穴はそうした酸化が進みやすいため、黒くポツポツとまるでイチゴを連想させる黒ずみになります。ここまで進行すると、ビジュアル的にもあまり綺麗とは言い難いでしょう。

さらには他の人から見たときに、ケア不足や生活習慣の乱れさえ連想させてしまうかもしれません。

ニキビ

角栓を放っておくとニキビの原因になってしまいます。
ニキビが悪化すれば、膿を持ったり、赤みを帯びてヒリヒリしたりします。
そのため、メイクにも支障を与えてしまうでしょう。

クレーターや色素沈着

毛穴詰まりや角栓からニキビに進行した後は、ニキビ跡と呼ばれるような３次トラブルにまで発展してしまうかもしれません。

ニキビは、炎症を繰り返すとクレーターと呼ばれる穴のような跡が残ります。
またその周囲には、紫がかったような色素沈着も生じてしまうのです。

毛穴詰まりを改善するには

毛穴詰まりの原因を理解したら、早速改善するための方法を見ていきましょう。
決して難しいことではありません。日々のケアを注意深く行なったり、不足しているケアを追加したりすることで、良い方向に向かうはずです。

正しく洗顔・クレンジングする

クレンジングと洗顔はケアの基本です。

どんなに忙しくても夜のメイク落としはしっかりと行なう必要があります。また、就寝中に分泌された皮脂や汚れを落とすためにも、朝の洗顔は必ず行ないましょう。

なお、洗顔時にしっかりすすぎをしないと、毛穴詰まりの原因になります。

オイルマッサージをする

皮脂が過剰な方は、オイルクレンジングでメイクを落としましょう。オイル成分が毛穴の中まで浸透して、余分な皮脂を溶かします。

またクレンジングをする時は、オイルの滑りを利用してクルクルとマッサージするように行なってください。マッサージすることで、毛穴に詰まった余分な皮脂や汚れを排出しやすくさせます。

酵素洗顔料を使う

毛穴に詰まった古い角質や皮脂は、通常使用している洗顔料だけではなかなか除去しにくいものです。
そのような頑固な毛穴の詰まりには、酵素洗顔料を使用すると良いでしょう。

古い角質や皮脂汚れを分解する酵素が配合されているため、詰まりの状態を緩和させることができます。

適切な保湿ケアをする

肌が乾燥すると、毛穴周辺の皮膚も硬くなります。
そうした硬くなった皮膚により毛穴の出入り口までも塞がり気味になり、余分な皮脂や古い角質が排出しにくくなります。そのため乾燥対策として、十分な保湿ケアが必要です。

化粧水、乳液はもちろんですが、乾燥しやすいシーズンや空調が効いている環境では、美容液などをプラスしてあげましょう。

美容皮膚科での毛穴詰まり治療例

毛穴詰まりをセルフケアで対処するのは少しだけ抵抗があるという方は、医療機関での処置を検討してもいいかもしれません。

しかし、こうしたプロの手による効果を高めるためにも、カウンセリングをしっかり受けてからがのぞましいです。

イオン導入

肌にビタミンCを入れ、ターンオーバーを回復、正常化させる治療です。
ターンオーバーが整うことで、古い角質や毛穴の詰まりもスムーズに排出されやすくなる効果が期待できます。

ケミカルピーリング

薬剤を皮膚に塗って化学反応を起こし、古い角質を除去する方法です。
肌の乾燥や毛穴内の黒ずみ悩みに効果的だと言えます。

ダーマペン

髪の毛よりも細い超極細針で皮膚に小さな穴をあけ、肌の再生力を促す治療です。
真皮層のエラスチン、コラーゲンが生成されるだけでなく、毛穴開きの緩和や肌の引き締めも期待できます。

レーザー治療

毛穴詰まり状態に合わせたレーザー治療が行なわれます。
例えば、毛穴を引き締めて角栓を詰まりにくい状態にするレーザーや、コラーゲンを増進させて毛穴たるみを改善させるレーザーなどがあります。

日常生活でできる毛穴詰まりの予防方法

毛穴の詰まりを解消するためには、ケアの見直しはもちろんですが、日頃からの生活習慣を改善することでも良い方向に変化をもたらすことでしょう。
自分のできる方法からスタートしてみてください。

生活習慣を見直す

睡眠不足は、肌のターンオーバーを乱します。
特にゴールデンタイム（午後10時~午前2時）と呼ばれる時間に質の良い睡眠を取ることで、肌に良いホルモンが分泌されやすくなると言われています。なるべくこの時間帯を意識して睡眠を取るようにしてください。

就寝１時間前にはぬるめのお風呂にゆっくり浸かって床につくと、早く眠りにつくことができるでしょう。また眠れないからといって深酒をすると、夜中や朝方にトイレに起きるなどかえって目が覚めやすくなるため、控えてください。
このほか、運動不足を感じている方であれば、簡単なストレッチなど体を動かすことも有効です。

こうして体全体の代謝をアップさせたり汗を流したりすることで、毛穴内の古い角質も排出されやすくなります。

喫煙は控える

タバコの主成分であるニコチンは体内のビタミンCを消耗するため、体内で酸化が起こりやすくなります。酸化しやすいということは、毛穴の白詰まりから黒詰まりへと変化しやすくなることを意味します。

また喫煙により肌のハリが失われると、涙状に毛穴が縦長に開きやすくなります。そのため、毛穴が目立ちやすくなります。

喫煙は体にも悪影響ですが、肌にとっても悩みを生じさせる要因です。なるべく喫煙は控えるようにしまましょう。

洗顔・クレンジング方法を見直す

毛穴の詰まりを緩和するためには、ケアの見直しが大切です。特に、ケアの基本である洗顔やクレンジングを見直すと良いでしょう。

クレンジングは、毛穴にスルッと入りやすく角栓を除去しやすい「オイルクレンジング」に変えてみてはどうでしょうか。また、洗顔はきめの細かな泡で肌に摩擦を与えないようなタイプのものを選ぶのがベストです。

毛穴の詰まりと同時に敏感肌でも悩んでいる方は、低刺激、天然素材の商品を選びましょう。

ビタミンCやタンパク質を意識して摂る

過剰な皮脂を抑制し、抗酸化作用が期待できるビタミンC（フルーツや野菜）や、肌の主成分となるタンパク質（肉、魚など）を積極的に取り入れましょう。
また、脂質代謝を促進するビタミンB1などもおすすめです。

これらの栄養素をなかなか食事から摂れない場合は、サプリメントなどで補助しても良いでしょう。

やってはいけない毛穴詰まりのNGお手入れ

毎日のお手入れやメイク時には毛穴詰まりはとても気になるものです。ついつい「自分で何とかならないかな…」と思ってしまうことも。

ですが、以下に挙げるように毛穴詰まりに関するNGセルフケアもあります。自分で行なう場合は注意が必要です。

無理に角栓を押し出して取る

指などで角栓を押し出す行為はやめましょう。
毛穴だけでなく、その周囲の皮膚を傷つけるおそれがあります。

また、こうした刺激はメラニンを活性化するため、メラニン沈着となり、さらなる黒ずみの原因になることもあります。

毛抜きで角栓を引き出す

指で角栓を押し出す行為同様、毛抜きなどの器具で角栓を引き出すのもやめましょう。
誤って傷をつけるだけでなく、毛抜きが汚れている場合では、雑菌を繁殖させてニキビの原因にもつながります。

洗顔時にごしごしこする

毛穴の詰まりや周辺の汚れを落とすために、洗顔時にごしごしと力を入れて行なわないようにしてください。

こうした刺激は、ターンオーバーを乱したり、メラニンを活性化させたりします。そのため、余計に毛穴詰まりが目立ちやすくなることがあります。

きめ細かな泡で優しく包み込むように洗うのが大切です。

頻繁な毛穴パック

角栓が気になって、毛穴専用のパックを使用する方もいるでしょう。
毛穴の詰まりに効果的と言われているパックには、洗い流すタイプのクレイ（泥）系パックやシートタイプで剥がす形状のものがあります。

特にＴゾーンなどに貼って剥がすタイプの毛穴パックは、頻繁に実施すると毛穴が開きっぱなしになってしまい、余計に毛穴が目立つ結果になるおそれがあります。
そうならないためにも、使用頻度を厳守するようにしましょう。

毛穴詰まりに関するよくある疑問

ここでは、毛穴詰まりに関するよくある疑問について回答します。
毛穴詰まりしやすい部位や、遺伝性の有無などについて理解しておくことで、適切な対処法も見えてくるでしょう。

毛穴詰まりができやすい場所は？

毛穴詰まりができやすい場所は、皮脂腺が多く集中している部分です。比較的、体の中心部にあると言え、例えば顔ならばＴゾーン、体ならば背中などが該当します。

特にＴゾーンは衣服などに覆われておらず、紫外線などにさらされ酸化して黒くなりやすい部位のため、毛穴詰まりが目立ちやすくなります。
また小鼻周りは窪みがあり、クレンジングや洗顔で洗い不足が生じやすくなります。スキンケアも小鼻周りにうまくつけるなどしなければ、十分なケアができない場合もあります。

毛穴の詰まりやすさに遺伝は関係ある？

毛穴の詰まりやすさは、遺伝も関係していると考えられます。
親が毛穴やニキビ悩みを抱えていれば、子に遺伝することも十分あり得ます。また、家族では生活習慣が似る場合が多いため、遺伝と生活習慣が重なれば、親や兄弟も同じように毛穴が詰まりやすくなると言えるでしょう。

毛穴詰まり解消が美肌への道！

毛穴詰まり悩みを抱えている人であっても、諦めてはいけません。
生活習慣やケアを見直すだけで、毛穴詰まりを緩和できる可能性があります。

毛穴詰まりを放っておくと、せっかくのメイクも綺麗に映えません。また、毛穴詰まりがニキビやクレーターなどのさまざまな肌トラブルを増やす原因にもなります。

毛穴詰まりで悩んでいる方は、まずは、すぐできる生活習慣の見直しからスタートしてみてください。毛穴詰まりを解消すれば美肌の道も近いですよ。