「そろそろ日差しが強くなってきたから、本格的な紫外線対策を始めなきゃ」と考えている方も多いのではないでしょうか。
ですが、日差しや気温が高くなってから紫外線対策をするのでは遅いのをご存知でしょうか。
ここでは、紫外線から受ける肌への影響やベストな予防対策を紫外線の特徴を交えながら解説します。体や肌質に合わせた紫外線対策を考えましょう。　
Last Updated：2023/6/22

紫外線対策しなとどうなる？ 怖い日焼けの影響

地球のオゾン層破壊などが原因となって、紫外線量は年々増加傾向にあります。また、紫外線は気温が高い夏だけでなく、一年中降り注いでいます。

紫外線を私達が浴びると、次のような影響を受けます。

・肌の乾燥
・肌の弾力低下、しわ
・肌のシミ、色むら
・肌の赤み（炎症）
・髪のパサつき
・皮膚がんのリスクを高める

このように、紫外線は美肌の天敵と言っても過言ではありません。

紫外線対策の基本は「日焼け止め」の使用

紫外線対策の基本は、「日焼け止め」の使用です。

市場にはたくさんの日焼け対策商品が出ていますね。ですが、数多い商品の中から探すのはなかなか難しいと言えるでしょう。

そんな時は、自分の生活スタイルや肌タイプに合わせた日焼け止めを探すのがベストです。

これを機会に、日焼け止めの仕組みや塗り方などの再確認をしていきましょう。

日焼け止めの仕組み

日焼け止めは、「紫外線吸収剤」と「紫外線散乱剤」２つを主な原料とし、これらを組み合わせて紫外線をカットするような仕組みになっています。

それぞれカット剤の役割を見ていきましょう。

紫外線吸収剤

化学物質（ケイヒ酸など）が紫外線を吸収し、熱などに変える働きをします。
顔などに塗った時に白くならないのもメリットです。肌の弱い方が使用するとアレルギーを発症してしまうこともあるため、敏感肌の方は使用を控えるか、注意する必要があります。

紫外線散乱剤

亜鉛、酸化チタンなどの化学物質が紫外線を反射します。
顔などに塗った時に白くなりやすいですが、アレルギー反応は生じにくいため、敏感肌用として商品に使用されているケースも多いです。

日焼け止めのSPF、PAとは

日焼け止めで頭に浮かぶのは、SPFやPAでしょう。これらは肌への影響が懸念されるUVA（紫外線A波）やUVB（紫外線B波）を防ぐ効果を理解しやすいように示したものです。

SPFやPAの意味をよく理解せずに使用している場合が多いと思うので、ここでしっかりと把握しておきましょう。

SPF

サンバーン（ヒリヒリや赤みが特徴の日焼け）の原因となるUVBを防ぐ効果を数値化したものです。日焼け止めを塗っていない状態よりも、どれくらい長く日焼けを防げるのかを意味します。数字が大きいほど、効果が高くなります。

【例】SPF50の日焼け止めの場合
20分程度日焼けを遅らせることができるSPF１を基本とし、SPF50ではその50倍の効果を意味します。つまり、SPF50のUV商品は約16時間（1000分）を目安として、肌の赤みやヒリヒリが防げることになります。

PA

肌の奥まで入り込んで、シミなどの原因となるUVAを防ぐ効果を示します。UVAの照射後2〜24時間以内に生じる「即時黒化」を基準にしています。

効果の目安は「+」の数で表わします。

PA + ：効果がある
PA ++：かなり高い効果がある
PA +++：非常に高い効果がある
PA + + + +：極めて高い効果がある

日焼け止めの選び方

日焼け止めを選ぶ時は、ついついPAやSPFの高さにこだわりたくなります。
ですが実際に選ぶ時は、水や汗への耐性面、質感、香料などのあらゆる面を考慮したいものです。
店舗でテスティングやサンプルの使用し、自分に合ったものを選びましょう。

日焼け止めの塗り方

日焼け止めには乳液、クリーム、スプレーなどのタイプがあり、塗り方も異なります。使用の際は、それぞれの用法に従いましょう。

いずれのタイプであっても、ムラなく塗る、こまめに塗り直すのがポイントです。また一日に何度か塗り直すことで、より効果を発揮します。

日焼け止め以外にもある、今すぐできる紫外線対策

日焼け止め商品も重要ですが、日常的にできる対策もあります。特に肌が弱くて日焼け止め商品が使えないという方は参考にしてください。

肌の露出を減らす

紫外線の強い日こそ、なるべく長袖を着用するなどして肌露出を防ぎましょう。
夏でも不快感が少ない通気性の良い素材や、UV加工された長袖がおすすめです。

日差しが強い時間の外出を避ける

日差しが強い時間は昼12〜14時頃です。特に用事などがなければ、この時間帯は外出を避けるよう心がけましょう。
天気情報の紫外線情報や熱中症指数なども参考になります。

紫外線対策に良い食べ物を意識してとる

紫外線対策に良いとされる食べ物を意識して摂取しましょう。

特にレバーや、野菜、果物などのビタミンA、B、C、カロテンなどは、皮膚の粘膜を強くして抗酸化作用をもたらす効果があると言われています。

不足しがちな栄養素は、サプリメントなどで補うと良いでしょう。

活用したい便利な紫外線対策グッズ

紫外線対策の基本は日焼け止めです。さらに効果を高めるために、紫外線対策グッズを上手に取り入れてください。

サングラス

紫外線は充血や痛みだけでなく、場合によっては白内障などを引き起こす原因にもなります。

外出や車を運転するときなどは、UVカットのサングラスをかけるようにしましょう。

日傘

日傘は、直接紫外線が顔や髪に当たるのを防いでくれます。肌が敏感でUV化粧品が合わない方にもおすすめです。

ただし白系は紫外線の乱反射を起こしやすいカラーなので、紫外線を通しにくい黒系がいいでしょう。UV加工された日傘であれば安心です。

帽子

外出時は帽子を活用しましょう。

特に紫外線の影響を受けやすい時は、ひさしの大きな帽子をかぶるようにしてください。それ以外はカジュアルなデザインの帽子でもかまいません。

アームカバー、カーディガン

車や自転車などの運転中は、紫外線が腕に直接当たり、シミや色むらができやすくなります。そのため、アームカバーや薄手のカーディガンなどを着用するようにし、日焼けを防ぎましょう。

ストール

首も紫外線の影響を受けやすく、また年齢が出やすい部位でもあります。

首の紫外線防止にはストールがピッタリです。巻き方をアレンジすれば、おしゃれも楽しめて一石二鳥です。

スキンケアに便利な紫外線対策グッズ

スキンケアに便利な紫外線対策グッズをカテゴリーごとにご紹介します。
複数を組み合わせれば、より万全な紫外線対策になります。

日焼け止め

日焼け止めの使用は、紫外線対策の基本中の基本です。

伸びのよい乳液タイプ、さっぱりとしたジェルタイプ、しっとりとしたクリームタイプなど、さまざまな質感があります。

化粧下地

紫外線はファンデーションの崩れた箇所から入ってきます。
そのため、化粧下地を使用して密着性を高めましょう。

ファンデーション

近年では、ファンデーションにも紫外線防止効果成分が配合されるようになっています。
UVケアをした後にファンデーションをつければ、二重に予防できます。汗をかきやすいシーズンは、なるべく小まめにファンデーションを塗り直すようにしましょう。

美白成分配合の化粧品

紫外線の影響でできてしまったシミやニキビ跡、肌の色むらなどは、美白成分が配合された化粧品でアプローチしましょう。
さまざまな成分があるため、肌質や効果に合わせたものを選ぶようにしたいですね。

ヘアケア用品

髪も肌と同じように紫外線の影響を受けます。するとパサつきや赤茶ける原因にもなりかねません。

紫外線から髪を守ることで、健康なヘアを保てます。

うっかり日焼けしてしまったときの対処法

日焼けは火傷（ヤケド）と同じと思って間違いありません。

日焼けをしたらすぐさま応急処置をしたり、生活習慣の改善で内側から整えたりしましょう。

日焼けした箇所を冷やす＆保湿する

火傷をしたらすぐにその部位を冷やすのと同じように、日焼け後は炎症を起こしていることが多いため、保冷剤などで冷やします。
その後は、化粧水や乳液で忘れずに保湿しましょう。

食事と睡眠でケアする

抗酸化作用の高いビタミンCが豊富な果物や、皮膚粘膜の強化が期待できるビタミンAを含むレバーなどを摂りましょう。

また、正常なターンオーバーのために質の良い睡眠を心がけ、お肌のゴールデンタイムと言われる２２時から深夜２時の間に就寝するようにしてください。

紫外線対策のよくある疑問

ここ数年、紫外線が肌にもたらす悪影響や予防に関する知識をしっかり持って対策している方が増えています。それでも大半の方が紫外線に対して曖昧なまま過ごしているのではないでしょうか。

ここでは紫外線対策のよくある疑問を交えながら、あらためて紫外線対策を見直してみましょう。

紫外線対策はいつからすべき？ 冬も必要？

紫外線といえば、春や夏に多く降り注ぐイメージですね。
確かに、UVB（紫外線B波）は７〜８月がピークで、冬が近くなるとぐんと減ります。

一方、UVAは一年中ほとんど量を変えずに降り注いでいるため、季節に関係なく紫外線対策を心がけましょう。

子供の紫外線対策は何歳からすべき？

子供の紫外線対策は生後数ヵ月以降を目安にすると良いでしょう。
お母さんの中には「子供にUV対策はまだ早い？」「子供が帽子を嫌がってなかなか上手く対策できない」など、迷うこともあるかもしれません。
ですが、子供は大人よりも皮膚が薄く、紫外線の影響を受けやすいと言えます。お子さんのお気に入りの帽子を被せたり、子供用のUVケア商品を使用したりするようにしましょう。

また肌が敏感なお子さんは、皮膚科などが推奨しているUVケアなどを使うと安心です。

室内でも紫外線対策が必要って本当？

波長の長いUVAは、室内のガラスを透過するだけでなく、肌の弾力を維持する真皮層にまで届いてしまいます。室内だからといって油断していると、知らず知らずのうちに紫外線の影響を受けてしまうことになります。

室内であっても、日焼け止めを薄く塗るなどの対策を忘れないようにしましょう。

一年中の紫外線対策でトラブル知らずの肌へ

紫外線が肌や髪にもたらす影響は多大なものです。
また紫外線は夏だけでなく一年中降り注いでいるため、年間を通したケアが必須です。

今回の記事を参考に、さまざまな紫外線対策グッズやスキンケア品の効果・役割をしっかり再認識し、紫外線から肌や髪を守りましょう。