訪問 美容

訪問理美容が飽和状態?送迎サービスから始めるという選択肢も

高齢化社会に拍車がかかっている日本では今、訪問理美容の需要が伸びています。そしてそれに伴い、訪問サービスを目指す人が増えているのも現状です。
通常の理美容室と同様に飽和状態になりつつある訪問理美容は、今後どのように変わっていくのでしょうか。今回の記事ではそんな訪問美容の現状から、訪問事業に繋げられる送迎サービスなどについて解説していきます。

“訪問美容”とは

“訪問美容”とは

訪問美容とは、様々な場所や施設に出張し理美容サービスをお客様に提供する仕事です。しかし美容室以外での施術は、これまで特例を除いて行なってはならないものでした。

2016年4月に美容師法が改正されてからは、その規制が緩和されており一般の方でも利用できるサービスとして広まりつつあるのです。ここからはそんな訪問美容の仕事内容や対象となる顧客について、詳しくご紹介していきます。

訪問美容の仕事内容

訪問美容は、理美容師がお客様のいる自宅や福祉施設、病院などに訪れてカットなどの施術をすることです。施術内容はカットだけでなく、パーマやカラーなどの通常のサロンと同じようなメニューを受けられます。

ただしお客様は寝たきりの方だったり、高齢者の方だったりと体が不自由な場合が多いです。そのため理美容師には理美容に関する知識や技術以外にも、福祉や介護などのノウハウが必要になります。

比較的体の健康状態が良いお客様は、通常の理美容サービスと変わらない施術を行えるでしょう。しかし補聴器を付けている人には、水に濡れないよう外していただくなどの細かい気配りも大切です。

また訪問美容は、必要な道具を全て営業先などに持ち込まなければなりません。例えばカットやカラー、パーマ道具一式から切った髪を受けるクロス、ドライヤーなど。施設の設備が整っていないと、シャンプー台や排水・給水タンクなどを持ち込むこともあります。こうした備品を揃えておくのも、訪問美容の重要な仕事と言えるでしょう。

訪問美容の顧客となる人々

訪問美容サービスを利用する人は主に高齢者や入院している人、要介護の方などです。また介護や育児などで自由な時間がない健常者の方も、訪問美容のサービスを受けられる対象となります。

そのため訪問理美容師は、病院や老人ホームなどの介護や福祉施設、お客様のご自宅などへ伺うことになるでしょう。個人宅へ訪問する場合は1人のお客様のみになりますが、病院や介護施設などに伺う場合だと一度の訪問で複数人の施術を行うケースもあります。

このように訪問美容を受けられるお客様の範囲は、規制の緩和により広がっているのが現状です。

しかし一般的な健常者は訪問美容の対象外となるので、自宅での施術を受けることができません。自宅での施術を行うには、要介護認定・支援費制度を利用していることが条件となります。

訪問理美容が飽和状態になっている背景

訪問理美容が飽和状態になっている背景

法改正されたばかりの数年前では、まだ訪問理美容に目をつけていない事業者も多く、ライバルの少ないブルーオーシャンと言われていました。そして理美容室が新たに訪問サービスを開始する場合、要介護者と関わりの深い「ケアマネージャー」へ営業などを行い、新たな顧客開拓へつなげていたのです。

しかし現在では、訪問理美容サービスを展開している事業者も増えており、ケアマネージャーへの伝手を探すこと自体が困難になっています。特に大手サロンが近隣の地域で訪問サービスを展開していると、その地域で新たに集客することは難しいと言えるでしょう。

訪問美容サービスの本質は、日頃から理美容サービスを受けられないお客様のところに行き施術をすることです。そのため訪問理美容が浸透している地域は、お客様のニーズもすでにある程度満たされているため、その地域で業績を伸ばすことが難しくなります。

訪問理美容の需要は地域によってもかなり差が生じていて、競争が激しいところもあれば、一方でまだまだ顧客の開拓がされていない地域もあるようです。だからこそ、これから訪問理美容を開始するなら、サービスが求められている地域に展開することが望まれています。

送迎サービスから始めることのメリット

送迎サービスから始めることのメリット

訪問理美容が飽和状態になっている地域では、まず送迎サービスから始めてみるという手段もあります。送迎サービスとはお客様を自宅まで迎えに行き、理美容室に車で送迎したりサロン内までの移動する際の補助を行う仕事のことです。

では具体的にどんなお客様が送迎サービスを利用するのか解説していきます。

要介護者以外でも、理美容室に来られない方は多い

訪問理美容はお客様の自宅や施設などに訪れて施術するサービスですが、中には自宅に他人を招くことに抵抗を持つ方もいます。でも足腰が弱くて歩行補助器を使っている人や車椅子の人は、自分で美容室に行くのは一苦労です。

病院や介護施設の入居者以外にも、そうした理由でサロンに来られない人は数多くいます。これは訪問理美容を始めたい事業者が、顧客を呼び込むためのチャンスにもなり得るでしょう。

例えば、送迎サービスでお客様との信頼関係を築くことにより、今後の開業を予定している訪問美容への集客につなげられます。お客様としても全く知らない美容師を自宅に入れるよりは、何度も顔を合わせて会話したこともある人のほうが招き入れるハードルは下がるでしょう。

こうしてある程度の見込み客を獲得した上でスタートしたほうが、見切り発車するよりも開業時のリスクを減らせるメリットがあります。

コストが最低限に抑えられる

訪問美容の場合だと、カットやカラーなどの施術を行うために準備しなくてはならない商材がとても多いです。そのため道具が揃っていない理美容師にとっては、訪問サービスを始める際に掛かる費用が膨れ上がってしまいがち。

しかし送迎サービスは、準備する商材なども少ないのでコストを最低限に抑えることが可能です。さらに準備に時間が掛からなければ、事業のスタートがスムーズになりますし万が一上手くいかなかったときのリスクも最小限に留められます。

送迎サービスは、訪問理美容の開業を躊躇していた方でも比較的スムーズに始めやすい事業なのです。

コスト0円で始める送迎サービス

コスト0円で始める送迎サービス

専用の機材や商材などを準備する必要のない送迎サービスは、コスト0円から始めることも可能です。ただし事業を開始するにあたって、事前に理解しておかなければならないこともあります。

なぜなら送迎サービスの提供をしていると、様々な場面でトラブルや問題が発生するからです。お客様との信頼を築くためにも、送迎サービスの対象となる顧客や注意するポイントなどについて知っておきましょう。

補助があれば立って移動できる方を対象に

送迎サービスの対象となるお客様は、基本的に補助があれば移動できる方のみに絞った方が良いでしょう。

例えば、

  • 自力で車椅子に乗って移動できる人
  • 歩行補助器具や杖などがあれば歩ける人

などです。

理美容室へ行きたくても行けない人の中には、完全に一人での移動が難しくても誰かのサポートがあれば動ける人はそれなりにいます。そんな時に送迎サービスを利用するお客様もいるのです。

そしてお客様を献身的にサポートすることができれば信頼性が高まりやすく、送迎サービスを何度もご利用していただくことで顔を覚えてもらえます。また自店舗があるなら訪問理美容に関する対象者の制限が適用されないので、運営しているサロンの新たな集客にもつなげられるでしょう。

ただし移動が困難な寝たきりの方などを、顧客の対象にするのは控えたほうがよいかもしれません。なぜなら車の内装を整えたり専用の器具が必要になったりしますし、美容室の施設自体が寝たきりの方に対応していないケースも多いからです。

予約時の注意とポイント

送迎サービスを利用するお客様は、様々な理由や症状があってサロンへの移動が困難な状況にあります。その内容も人によって異なるので、事前にしっかりとお客様の情報を得ておくことが重要です。

具体的には、

  • 通話相手がお客様本人かご家族の方か
  • 「玄関先からの送迎になる」ことの確認
  • お客様の名前や年齢、性別や住所、連絡先
  • 自力歩行が不可であることの確認
  • いつもの外出時の移動方法
  • 送迎エリアの確認や料金案内

などです。

またお客様の身体状態によっては、補助が一人だと難しいケースもあります。複数人でのサポートになる場合、安全や人員確保の面で厳しい部分もあるため、予約時にお断りすることも検討しておきましょう。

送迎時の注意とポイント

身体の不自由な方の補助は、とてもデリケートな部分でもあります。送迎時にはお客様のペースに合わせて、怪我などのトラブルに気をつけながら焦らず慎重に行動することを心がけてください。

特に運転中はお客様に負担をかけないよう、

  • カーブではしっかり減速する
  • 急ブレーキを踏まない

などのことにも気を配り安全運転を行うことが大切です。

ただしどれだけ注意していても、事故などが起こる可能性はゼロではありません。万が一に備えるために、必ず保険には入っておきましょう

また車両にもいくつかの設備を整えておくことで、お客様が乗降りしやすくなります。例えば、車高が高い車にはほどよい高さの台を用意したり、車の入り口付近にお客様がつかめる持ち手を増設したりなどです。

初めて送迎サービスを利用する方には、移動中や車内などで優しい言葉をかけて安心してもうらことも大事なこと。お客様の不安な気持ちを少しでも和らげて信頼性が高まれば、次回からも利用してくれるはずです。

店舗をもたなくても始められる訪問理美容

店舗をもたなくても始められる訪問理美容

訪問理美容サービスは自店舗を構える必要がないので、通常の理美容室よりもコストがかからず始められます。しかし店舗がないことは、なにもメリットだけではありません。

お店がない分、街行く人などの目に触れる機会はほとんどありません。それに客層となるのは病院や施設などに入居している方が多いため、積極的に営業をかけなければお客様を集めることは難しいのです。

特に事業をはじめたばかりの頃は、伝手や認知度はほとんどない状態のはず。では具体的に何をすればお客様とのつながりを作れるかご紹介していきます。

ケアマネジャーとの良好な関係性を築く

ケアマネジャーとは、主に介護サービスを利用する方の総合的な支援をする役割を担っている職業です。具体的には、要介護認定を受けた人が適切な介護サービスを利用できるよう「介護サービス計画書」を作成し、市区町村や様々な事業者との仲介を行います。

つまりケアマネジャーは、訪問理美容のターゲット層となる要介護者の方などに一番近い存在。訪問理美容師からすると、営業先の窓口となる人物なのです。お客様を紹介してもらうためにも、できるだけ真摯な態度でケアマネジャーと接して良好な関係を築いておくことが重要となるでしょう。

ケアマネジャーを見つけるには、まず市区町村の介護保険課もしくは地域包括支援センターに行き、そこでもらえる「居宅介護支援事業所のリスト」や「ハートページ」という冊子から探せます。

また資料に載っているもののほとんどは、デイサービスや訪問看護ステーションなどを併設している事業者です。そしてどんなサービスが併設されているかで、ケアマネジャーの強みも異なります。

例えば、訪問看護ステーションでは医療関係、訪問介護では介護・福祉関係との連携に強みをもつケアマネジャーがいるという推測が可能です。お客様の属性をある程度絞って探している方は、こうした細かい部分に注目して選んでみてください。

介護施設は回覧チラシが有効

訪問理美容では、お客様への認知度を高める方法として施設内でのチラシ配りが有効です。特に介護施設だとお年寄りの割合が多いため、紙媒体であるチラシのほうが目を通してもらえる可能性も高くなります。

そして施設へ訪問する際には、事前に回覧記入式のチラシを配りを行い、どの程度の人が理美容サービスを求めているかを知ることも重要です。

回覧記入式にするのは、そのまま利用者に回すだけなので説明や希望者を募るなど労力を削減できるからです。配る際の作業量が少なく負担があまりないので、担当のケアマネジャーにもお願いしやすいでしょう。

新規自立支援型サービスを狙え

少子高齢化や医療技術の発達などにより、日本における高齢化は年々進んでいます。それが介護サービスの利用者増加の要因になっており、国の介護費用の負担が大幅に増えているのが現状です。

そのため、国は以前から介護予防と自立支援の取り組み強化などに力を入れています。今後はデイサービスなどの「全面バックアップ体制の介護」以外にも、リハビリや運動機能の向上などを目指す自立支援型のサービスも増えてくる見込みです。

今後増えてくるであろう自立支援型サービスなどは、訪問理美容の営業先にもなり得ます。こうした情報は市役所の福祉課や地域の支援センターで、しっかりチェックしておきましょう。

介護予防となる取り組みは、高齢者の身体だけでなく生活するための意欲を促すことも重要視されています。例えば、美味しいものを食べたり温泉に入ることでリラックスしたりと、毎日の生活を楽しく過ごすことで生きる活力を取り戻すのです。

中にはいつまでも綺麗な見た目を維持したいと思っている方もいます。その手助けになるのが訪問理美容サービスと言えるでしょう。

在宅ケアへつなげるコツ

訪問理美容で出会ったお客様とは、末長く関係を続けていきたいものです。一度の関係で終わらせないためにも、様々な工夫を凝らす必要があります。

例えば施術後の記念に写真撮影を行い、現像した写真を送る際の連絡先や送り先の住所を聞いておくことです。お客様との直接的な連絡手段となるので、介護施設やケアマネジャーを介さずに理美容サービスのアプローチができます。

そしてお客様に定期的な連絡をすることで、忘れられないよう存在感をアピールすることが可能です。こうした細かな気配りも、大事なお客様との関係性を築くための重要なポイントになります。

信頼関係を築くことが成功への道

訪問理美容は、人と直に接する機会の多い仕事です。顧客獲得を目指すためにも、営業先の施設やケアマネジャー、お客様などと関係性を築くことが重要になります。

しかし他人と一から信頼関係を作り上げるのは、とても時間が掛かるものです。だからこそケアマネジャーなどとつながりを作るのには、自分から積極的にアプローチする必要があります。

また別の角度からの取り組みとして、コストを最小限に抑えられる送迎サービスからはじめてみるのもありでしょう。特に送迎サービスは、リスクが少ないうえに訪問理美容を開始する前からお客様との信頼関係を築けるメリットがあるので、ゼロからスタートする人におすすめです。

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サロンチャート編集部

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