「爪先のおしゃれを応援したい!」という気持ちから、ネイルサロンの開業を考えている方もいるでしょう。ネイルサロンの開業には、自宅型、店舗型などいくつかのスタイルがあります。ここでは、それぞれのメリット、デメリットを介してどのような計画や準備をすれば、ネイルサロン開業が成功するのかをまとめています。
Last Updated:2020/12/3
ネイルサロン開業に必要なもの
ネイルサロンを開業するときに、資格や開業届は必要なのでしょうか。また、開業資金はどのくらい準備すればよいのでしょうか。
資格は必要?
ネイルサロンを開業するとき、特殊な資格は必要ありません。しかし、「ネイリスト技能検定試験」や「JNAジェルネイル技能検定試験」などの公的な資格はあるため、お客様の信用を得るためにはこうした資格にチャレンジすることも良いですね。
開業届
個人で開業する場合、税務署に「開業届」を提出する必要があります。また、戸建住宅で開業する場合、50㎡(30畳)以上であれば、消防署にも届け出ます。(都道府県によって提出の仕方が異なるため、事前確認が必要)
他にも、ネイルサロンに加えてフェイシャルケアも取り入れるのであれば、保健所にも申請しなければなりません。
開業資金
店舗型と自宅開業型では以下のように開業資金にも違いがあります。
店舗型
商業施設の一角を借りて経営する場合の敷金礼金(数ヶ月分) | 30万程度 |
内装工事費用 | 50万程度 |
備品(机、椅子、ソファー、リクライニング、レジスター、ネイルダスト集塵機など) | 20万円~ 30万円程度 |
ネイル用品 | 20万程度 |
宣伝広告費、チラシ印刷代やブログ開設費用 | 30万円程度 |
総合費用見積もりとして150万円~200万円程度が必要になるでしょう。
自宅開業
備品(机、椅子、ソファー、リクライニング、レジスター、ネイルダスト集塵機など) | 20万円程度 |
ネイル用品 | 10万円~ 20万円程度 |
宣伝広告費、チラシ印刷代やブログ開設費用 | 10万円程度 |
自宅開業であれば家賃がない分、資金は少なめの30万円~40万円程度があればよいでしょう。
自宅ネイルサロンと店舗型ネイルサロンの違い
自宅ネイルサロンと店舗型ネイルサロンの違いを、メリット・デメリットに分けて検証します。
自宅ネイルサロン
自宅でのネイルサロンは、お子さんが小さくてなかなか外で働くことのできない女性に適した開業スタイルです。ですが、以下のように防犯上のリスクも懸念すべきでしょう。
自宅ネイルサロンのメリット・デメリット
メリット | デメリット |
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店舗型ネイルサロン
店舗型ネイルサロンは集客しやすいという最大メリットが得られる一方で、賃貸料や交通費が発生するというデメリットもあります。
店舗型ネイルサロンのメリット・デメリット
メリット | デメリット |
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ネイルサロン開業時に最低限揃えておきたい必要な道具
ネイルサロンの開業時に揃えておくべき道具は以下にあげるようなものです。開業数日前には最低限の備品は揃えておきたいものです。
机と椅子
机や椅子は、家具屋さんで購入することも可能です。しかし、ネイルを施術する時に適切な机の広さは、45cm前後の幅です。また、ネイルサロンによっては、足のネイル(ペディキュア)を手がけるケースもあるでしょう。そのときに必要になるのがリクライニングシートです。
こうした専門的な備品は、ネイルサロン用として適した家具が取り揃えられている専門店での購入が良いでしょう。
耐荷重 | 80kg |
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サイズ | 座面φ350×座高480~680mm、全長610~810mm |
カラー | ホワイト、ブラック、ブラウン |
サロン価格 | 24,800円 |
商品番号 | 17491 |
ネイルダスト集塵機
ネイルサロンでは、「削る」という作業が必須となります。そのときに出てしまう爪の粉塵は、意外に多く微細なため、息を吸うとともに肺に入りやすくなります。このような粉塵を業界的用語ではネイルダストと呼びます。こうした積み重ねがアスベスト被害のように数年後に肺疾患として発症することも懸念されるでしょう。
ネイルダストの存在を承知しているネイル施術者は通常、マスクをつけて施術を行いますが、お客様側はマスクを着けていない場合がほとんどです。ネイリストとお客様の双方が健康被害に合わないためにも、ネイルダスト集塵機のような機器を準備するのは常識です。
ネイル用品
ネイル関連の備品は種類が多く、細かい用品を取り揃える事になるでしょう。主なネイル用品は次のようなものです。
- ネイルファイル(爪を綺麗に整える)
- チップカッター(爪を割らずにハーフチップの長さまで調整する)
- 多彩なジェル(自分の施術スタイルに合わせたジェルを用品する)
- ジェルブラシ(ジェルを施術する時に使用する)
- スポンジワイプ(未硬化ジェルの拭き取りやオフ時に使用)
- キューティクルオイルや保湿剤、下地などの施術前のケア品
- UVライトまたはLEDライト(ジェルネイルを乾かす時に使う機器)
メーカー | プリジェル |
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サイズ | 幅205×高さ84×奥行176mm |
重 量 | 約1,000g |
電 圧 | AC100-240V 50/60Hz |
定 価 | 38,000円 |
商品番号 | 120544 |
レジスター
会計をする時に必要なのがレジスターです。また、会計だけでなくその日の売り上げ計上などがひと目でわかるという利点があります。
メーカー | カシオ |
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電源 | AC100V、50/60Hz |
サイズ | 幅326×奥行345×高さ167mm |
カラー | ホワイト、レッド、ブラック |
登録桁数 | 合計7桁 |
価 格 | 美通販価格(詳細は商品ページでご確認ください。) |
商品番号 | 120361 |
準備期間の計画が成功のカギ
ネイリストとして独立するには準備期間である数ヶ月間が成功のカギと言えます。次のような項目を意識しながら、計画を立てることが望ましいです。
ターゲットとなる客層
ターゲットにしたい客層を決めておくことで、どのような人に開業を告知するのが良いか絞ることができるでしょう。例えば、店舗型の場合ならば、同じ商業施設に入っている美容室などのお客様をターゲットにして相乗効果を期待することも考え方のひとつです。
一方、自宅開業型であれば、自分のためにお金が使えるキャリアウーマンや、40代以上の主婦をターゲットに来店を促すなどしましょう。特に自宅開業型の場合は、「サロン開業を知らせづらい」という難点もありますから、ターゲットを早めに絞ることは重要です。
1日にとる予約人数
1日にどのくらいの人数の予約をとるのかを計画しましょう。お客様が多少遅れて来店しても、次の予約客に影響のないような予約取りをする必要があります。クレームや信用問題にならないよう、無理な予約を入れないように気をつけなければなりません。予約表作りは自分のスキルに合わせて、効率良い時間配分を考えて作成することが重要です。
集客の仕方
店舗型の開業であれば、その商業施設自体に集客効果があるため、比較的集客に苦労することはないでしょう。
自宅開業の場合は、立地している場所にもよりますが、前々からの宣伝がなければ「場所が分かりづらい」「自宅なのでなんとなく来店しにくい」というデメリットが生じやすくなります。友人らに頼んで口コミで広めてもらう方法から、ブログ・SNSなどでの告知など、あらゆる告知方法を試みてください。まさに、数ヶ月前から種まきをしておくイメージです。
月の売り上げ目標
月の売り上げ目標額と単価が決まれば、予約を入れなければならない人数は必然的に決まります。例えば、自宅開業の場合、月に10万円、1人当たりの施術単価5,000円を売り上げたいのであれば、1ヶ月間のうち20名の予約をとることになりますね。
フォローの仕方
新客をとったら、必ずアフターフォローが必要です。ネイルサロンを開業する人は年々増加中で、近隣にもライバルサロンが点在しているケースは珍しくありません。こうしたライバル争いに打ち勝つためにも、新客をどのようにリピートさせるかが大切になります。
そのためにも、リピートカードのようなものを作成して、何らかのサービスを設けるなどすることも良いでしょう。また、友達紹介のような意図を持って作成するカードツールの存在も大きいですね。
ネイルサロンのポイントを把握する事が開業成功の秘訣
ネイルサロンの開業は、自宅ネイルサロンや店舗型サロンどちらについてもメリットやデメリットが存在します。総合的に考えて、自分にはどちらが向いているかを考えて開業の計画を立てましょう。また、準備期間をしっかり設けて、ネイルサロンに必要な準備物を効率良く揃えることも成功のポイントです。