ヘアカラー専門店とは

ヘアカラー専門店は、今までにない効率化したビジネスモデルです。美容室は昔からある営業方法ですが、そこを細分化してメリットだけを感じられるように、うまく仕組み化しています。美容院の営業方法に疑問を感じている人は、敢えてヘアカラー専門店で働くのも悪くありません。仕事内容をまとめてみたので、参考にしてみてください。

ヘアカラー専門店とは? なぜ今人気? 美容師が知っておきたい出店場所・料金設定


通常の美容室の場合、カットやパーマなど、髪に関するメニューはひととおり揃っています。
しかし、ヘアカラー専門店はヘアカラーだけ。つまりヘアカラー専門店とは、名前のとおりヘアカラーだけができる美容室のような存在です。

知らない人からしてみれば、ヘアカラーだけしかできないお店は不便そうに思えるかもしれません。ところが、むしろ現在ではヘアカラー専門店は大人気です。美容室を経営する立場からしても、魅力的なビジネスモデルになりつつあります。

その理由は、「美容室利用者のニーズにマッチしている」からです。

メニュー 利用率
カット
97.3%
カラー
53.7%
パーマ
10.0%
※引用:美容センサス2022年上半期|ホットペッパービューティーより

美容室を利用している人にアンケートをした結果が上記です。
利用率を分けてまとめてありますが、2人に1人がヘアカラーをしています。

一昔前までは、美容室は「パーマ屋」と言われるほどパーマが注目されていましたが、現在はヘアカラーをするのが当たり前の時代。
それだけ需要があるからこそ、専門店化したほうがメリットも多いわけです。

白髪の状況
女性の割合
白髪がある
気にしている
52.5%
気にしていない
7.4%
白髪がない
不安がある
13.1%
不安がない
26.9%
※引用:白髪・グレイヘアに関する意識調査2022|ホットペッパービューティーより

上記のように、白髪を気にする女性が増えています。白髪がない人でさえも、生えてきた時のことに対して不安を持っています。
このように、ヘアカラーにはかなりニ-ズがあることがおわかりいただけたと思います。

出店場所

カラー専門店の経営を考えるなら、気にするべきは出店場所です。

ヘアカラーというのは、1回染めれば終わりではありません。
根元から黒髪が生えて来れば、毛先に合わせてリタッチする人だけでなく、中には気分で毛先まですべて色を変える人も出てきます。

つまり、「通いやすい場所」にないとこのような顧客を取り込むことは難しく、安定した収入が手に入らないわけです。だからこそ、売上を増やすには出店場所が重要になります。
そのためヘアカラー専門店の多くは、「大手商業施設」に集中しています。

大手商業施設に集中する理由

■集客の手間が省ける
■買い物などの「ついで」に利用するお客様が見込める
■お客様にメリットが多い など

このように、通いやすい要素が詰まっているのが、大手商業施設の魅力です。

ヘアカラー専門店は、数で勝負しないといけないビジネスモデルです。そのため、集客をしなくても来店数が見込める大手商業施設との相性は、まさにぴったりだと言えます。

料金設定

上記でも紹介したように、ヘアカラー専門店の成功はお客様の数にかかっています。
たくさんのお客様を相手にする必要があるため、料金設定もそれに合わせて決めないと、不満に思われてしまいます。

まず、美容室のヘアカラーの平均料金を見てみましょう。

地域 カラーの平均サービス料金
北海道・東北
4,710.2円
関東・甲信越
6,894.2円
東海・北陸
5,418.7円
近畿
5,694.6円
中国・四国
5,208.7円
九州
4,988.9円
※引用:第30回 厚生科学審議会生活衛生適正化分科会

地域によって誤差はありますが、5,000円前後が相場です。
つまり、これよりも安く設定しないと、ヘアカラー専門店として成功しない確率が高くなると言えます。

多くのヘアカラー専門店では、部分染は1,000円程度、毛先まですべての髪の毛を染めるフルカラーでも、3,000円を切っています。そのため、たくさんのお客様に来てもらわないと利益が出せないため、料金設定も重要なポイントになるわけです。

今、ヘアカラー専門店が増えている理由


ヘアカラー専門店は、たくさんのお客様を相手にしないといけません。
それだけを聞くと、まだまだデメリットが多そうに感じるでしょうが、それでもヘアカラー専門店は今でも増え続けています。

それは、デメリットを上回るほどのメリットがあるからです。
どんな理由で増えているのか、簡単にまとめてみたので、参考にしてみてください。

ヘアカラー専門店は今後も無くならないマーケット

ヘアカラー専門店が増えている理由のひとつとして、長く商売ができることが挙げられます。
長期間の売上が見込めるということは、ビジネスをしている身からすればかなり魅力的に感じるでしょう。

ではなぜ、売上の見込みがあると言えるのでしょうか?
それは、ヘアカラーに関する悩みを抱えている女性が多いから。特に白髪に関しての悩みは、女性なら誰でも持っています。

この灰白色化は主に黒色毛と白色毛が混在した状態で、30歳後半~50歳前半に始まり、初め側頭部に出現し、次第に頭頂部、他の頭部、さらに髭、陰毛、腋毛などへ拡大する。

※引用:第22回三支部合同学術集会『老化と毛髪変化』より

白髪が気になりだす年齢と、白髪染めを始めるのがほぼ同じなのが、以下のアンケートを見れば一目瞭然ですね。

白髪の状態 平均年齢(女性)
白髪が気になりだした
40.4歳
白髪染めを始めた
42.6歳
白髪染めを続ける上限
69.2歳
※引用:白髪・グレイヘアに関する意識調査2022|ホットペッパービューティーより

しかも白髪は長い期間にわたって増え続けます。
つまり、ヘアカラー専門店には明らかにニーズがあるため、商売を長く続けられる可能性が高いというわけです。
安定した収入が得られるのなら、挑戦したい気持ちもわからなくもありませんね。

ヘアカラー専門店と商品ビジネスの違い

ヘアカラーの悩みを抱えている人が多いにしても、わざわざ専門店にしなくてもいいのでは?と思う人もいるのではないでしょうか。

確かにメニューを絞り込んだら、柔軟に対応できなくなるデメリットはあるでしょう。
しかしヘアカラー専門店のように、専門店化することで増えるものもあります。
それは「利益率」です。

■商品ビジネスの利益率:約10%
■ヘアカラー専門店の利益率:約20%

このように、ヘアカラー専門店と、美容室も含めた商品ビジネスとでは、単純計算で利益率に2倍ほどの違いが出てきます。

利益率とは、売上に対する利益の割合。つまり、支出を除いた収入の割合です。
商品ビジネスをするとなると、たくさんのニーズに応えるためにさまざまな種類の商品やサービスを用意しないといけません。そのため、どうしても経費が掛かりがちです。
しかし専門店化した場合、用意する資材や設備などを簡略化し、経費を抑えられるため、ヘアカラー専門店のほうが効率よく収入を増やせるというわけです。

効率よく収入を上げるのに、ヘアカラー専門店はちょうどいいビジネスモデルですね。

ヘアカラー専門店のメインターゲット

ヘアカラー専門店はたくさんの人を相手にしないといけない、と上記でも説明しました。
しかし実際のところ、メインターゲットを絞り込むことで、さらに効率よく売上アップが見込めます。

そのターゲットとは、白髪染めをする層です。

■白髪が気になりだす団塊ジュニア世代
■白髪染めをしている忙しいシニア層
■老けて見られたくない若い女性 など

このうち、特に35~65歳以上の白髪を気にする人をターゲットにすれば、安定した収入が期待できます。

若い層までターゲットにしてしまうと、ブリーチやカラフルなヘアカラー剤まで用意しなければならず、より多くのカラー剤や設備が必要になるでしょう。しかし白髪染めだけに絞り込めば、経費は少なく済みます。

もともと白髪染めは、「白⇒黒」というように、白髪を暗い色に染めるのが目的です。求められる技術もそこまで高くないため、そこで働く美容師にとっても気軽に仕事ができます。

これだけでも、ヘアカラー専門店がいかにメインターゲットを絞り込むのが大事か、ということをイメージしやすいでしょう。

顧客が考えるヘアカラー専門店のメリット・デメリット

ヘアカラー専門店について簡単に紹介してきましたが、ここまで読むとメリットばかりのように見るかもしれません。
確かにメリットも多いですが、その代わりに顧客側にとってはデメリットに感じる部分も増えてしまいます。
そのあたりも頭に入れて、うまく営業できるように仕組み化してみてくださいね。

ヘアカラー専門店のメリット

ヘアカラー専門店は、とにかく価格を抑えて回転率を意識したビジネスモデルのため、顧客側からしてみれば、以下のように感じる人が多いのも事実です。

■価格が安くてコスパがいい
■早く仕上げてくれる
■会話が少なく煩わしくない など

ヘアカラー専門店は、流れ作業のようにヘアカラーをしないと売上が上がりません。それが特徴でもあるため、この流れと相性のいいお客様が集まってきます。
つまり、あまり会話を必要としない、髪の毛を染めて欲しいお客様が来るようになるわけです。

ヘアカラー専門店のデメリット

当然のことながら、ヘアカラー専門店はヘアカラーしかしません。
流れ作業のように作業をしないと売上が出ないため、どうしても以下のようなデメリットを感じるお客様も増えていきます。

■スタッフの対応が思ったより雑
■仕上がりが希望と違う時がある
■話がしにくい など

これらを見ればわかるように、丁寧に対応してほしい人にとっては不満を感じるでしょう。
まったく会話をしないわけではないと思いますが、美容師としては早く仕事をこなさないと次のお客様が待っているので、会話の余裕がないわけです。

仕方がないことですが、割り切ったビジネスモデルである以上、このようなデメリットを避けることはできないかもしれません。

ヘアカラー専門店が置くべき人材


ヘアカラー専門店では、通常の美容室よりも求める人材が幅広いのがポイントです。

少なくともヘアカラーができないと仕事ができませんが、美容師経験者であれば、特に難しい技術というわけではありません。そのため多くの美容師にとって、魅力的に感じることでしょう。

■ブランクがある元美容師
■隙間時間に働きたいと思う美容師経験者
■マニュアル通りに動いてもストレスを感じない人 など

このように、美容院で働くにはハードルが高いけれど仕事が欲しい、という人にはおすすめです。
美容師の副業としても、ヘアカラー専門店は魅力的ですね。

ヘアカラー専門店は魅力的なビジネスモデル!

今までの美容室は、髪のことなら何でもできる!といった、幅広いサービスが魅力のひとつでした。
しかし、そこを敢えてヘアカラーだけに絞り込んだのが、ヘアカラー専門店です。

仕事内容を限定するだけで、来店するお客様からそこで働く美容師までメリットが多くなります。
もちろん、今までないデメリットも増えますが、それ以上に魅力的なビジネスモデルと言えます。
これからお店を出したいと考えているなら、敢えてヘアカラー専門店に挑戦するのも悪くないかもしれませんね。

 

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メガネセキ美容室オーナー、ライター、元美容師

投稿者の過去記事

美容師として8年以上勤務。薬剤で手荒れがひどくなり、美容師を辞めて現在はWebライター。
地元で美容室を経営しつつ、Webの知識で集客も行っています。

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