美容室フランチャイズは儲かる? ロイヤリティの仕組みと失敗しないポイント

美容師として独立する際に考えるのがフランチャイズ。
ひとり美容室として独立するのか?
それともフランチャイズに加盟するのか?
迷う人は多いはず。
そこで今回は【美容室フランチャイズは儲かる?ロイヤリティの仕組みと失敗しないポイント】という内容でシェア。
さらにフランチャイズ本部になるために必要なことも解説していきます。

美容室フランチャイズの仕組み


まずはフランチャイズが「どのようなものか?」を解説。
美容師に限らず、独立したばかりは右も左もわからない状態です。
特に困るのが集客!

美容師として雇われている頃は、所属している美容室が集客をしてくれていました。
しかし、独立をすると集客を自分自身でしなければいけません。
やってみるとわかりますが、集客は非常に大変です。

そこで選択肢のひとつとなるのが、美容室のフランチャイズ。
フランチャイズに加盟することで、経営ノウハウなどのさまざまなアドバイスが受けられます。

さらに自分自身がフランチャイズ本部になると、経営ノウハウの権利を販売して対価を得ることが可能です。
フランチャイズ本部の流れとしては、経営に困っている美容師さんにフランチャイズへ加盟してもらいます。
そして、加盟後に経営ノウハウの権利などを販売。
また、ロイヤリティとして売上金から月額5~10%の収益を得ることもできます。

ノウハウの権利を販売するのが、フランチャイズと思ってください。

美容室フランチャイズのメリット・デメリット

美容室のフランチャイズを考えるなら、メリットとデメリットを把握するのが大事!
特にデメリットは、知らないと後から大変なことになります。

美容室フランチャイズのメリット

美容室をフランチャイズにするメリットは大きく分けて3つ。

  • 集客
  • 教育
  • 求人

先ほども説明しましたが、美容室で最も大変なのが集客です。
多くの美容室が集客をするために、集客サイトに多額の資金を使います。

フランチャイズに加盟すれば、その資金を抑えることが可能。
なぜなら、集客ノウハウを教えてもらえるからです。
独立した直後は資金繰りが大変なため、非常に助かります。






2つ目が教育。
お客様が増えてくると、スタッフを雇う必要があります。
美容業界は「10年で90%の美容師が辞める」と言われている過酷な職種。
そのため、スタッフ教育は想像以上に大変です。

厳しく接しすぎても、スタッフは辞めてしまいます。
逆に甘やかすと、美容師として技術や精神面が成長しません。
教育ノウハウがあれば、スムーズにスタッフ教育が可能です。
もちろん、ノウハウどおりにはいかない場合もあります。
ある意味、お金以上に大変なのが教育です。





最後の3つ目が求人。
さらに売上を伸ばすなら、スタッフが必要になってきます。
しかし、美容室の求人は想像以上に大変です。
フランチャイズに加盟すると、求人の面倒まで見てくれる場合もあります。


自分自身がフランチャイズ本部として活動するなら、【集客・スタッフ教育・求人】のノウハウは押さえておかないと加盟してもらえません。

美容室フランチャイズのデメリット

美容室のフランチャイズに関するデメリットは2つあります。

  • お金(ロイヤリティ、違約金)
  • 経営の自由度

フランチャイズに加盟してノウハウをもらうためには、ロイヤリティを払う義務があります。
ロイヤリティに関しては、固定の金額や売上から何割か引かれる場合が多いです。
さらに違約金も発生する可能性もあります。
違約金とは、フランチャイズ本部が定めたルールを破った際に払うお金です。

私の友人も規約違反をして、違約金を数十万円単位で支払っていました。
フランチャイズに加盟する際は、ルールを確認するようにしましょう。

2つ目が経営の自由度です。
美容室のメニューや商材は、フランチャイズ本部が決めます。
なぜなら、メニューや商材が違うと再現性のある技術が提供できないからです。
例えば、ブリーチが得意でもフランチャイズ本部が白髪染めを推していたらブリーチはできません。

さらに、SNSなどにもルールがある場合が多いです。
このようにフランチャイズに加盟すると、経営の自由度がかなり下がります。
自分の好きなようにしたい美容師さんは、フランチャイズには不向きです。

フランチャイズ本部になるなら、加盟した美容師さんが好き勝手しないようにルールを定めてください。
加盟した美容師さんの売上が上がらないと、フランチャイズとして展開できません。
ルールがキツ過ぎてもダメですが、守るべきルール設定は必要です。

美容室フランチャイズは儲かるのか?


美容室をフランチャイズにする目的は、結局はお金だと思います。
果たしてフランチャイズは、本当に儲かるのでしょうか?

美容室フランチャイズのロイヤリティ

美容室をフランチャイズにした際のロイヤリティには2つあります。

  • 固定の金額
  • 売上からの割合

ひとり美容室だと、ほとんどの美容師さんの売上限界が100万円になってきます。(あくまで相場)
売上からのパーセンテージで引かれる場合の相場は5~10%です。
その結果、5万~10万円がロイヤリティとしてフランチャイズ本部の収入になります。

フランチャイズ本部目線だと、5万~10万円と聞いて「思ったよりも少ないな…」と思われた人もいるはず。
ひとり美容室だとこれくらいの収入ですが、スタッフを雇っている美容室は違います。
スタッフを雇う美容室は、100万円以上は上がっている場合がほとんど。
そのため、売上が伸びる度に収入も増えます。
パーセンテージのメリットとデメリットは、売上に応じてロイヤリティが上下することです。

次に固定のロイヤリティです。

固定のロイヤリティだと、10万~15万円が相場です。
固定のメリットは、フランチャイズに加盟した美容室の売上が少なくてもロイヤリティが変わらないところです。
逆に言うと、売上が伸びてもロイヤリティは上がりません。

フランチャイズに加盟したい方は、パーセンテージと固定のどちらを採用するか決めておく必要があります
また、フランチャイズ本部はロイヤリティの他に、加盟金を100万円以上もらうことが可能です。(加盟金額は設定次第)

美容室の支出

フランチャイズに加盟した美容室の支出は以下です。

  • 水道光熱費
  • 家賃
  • 人件費
  • 材料費
  • ロイヤリティ
  • その他(宣伝広告費など)

支出は通常の美容室と変わりません。
材料費などは「売上の10%以内に抑えられると良い」と言われています。
しかし、カラーやパーマ、縮毛矯正のような技術を売りにしている美容室の材料費は高いです。
逆にカットメインの美容室は、材料費を抑えることができます。

美容室フランチャイズオーナーの年収

美容室のフランチャイズに加盟してオーナーになると、売上の約40~45%が収入になります。
40%で計算した場合、月に100万円の売上がある美容室だと以下です。

100万円×12ヵ月÷0.6(経費)=480万円

480万円と聞いて「意外と少ないな…」と思った方はいませんか?
美容師の平均年収は300万円前後です。
それを考えると1.5倍ほどの収入があります。

そのため、決して低い収入ではありません。

美容室フランチャイズで失敗しないためのポイント

美容室のフランチャイズが「どのようなものか?」わかってきたはず。
ここではフランチャイズ経営に失敗しないために、チェックすべき項目を紹介します。

事業計画をしっかり立てる

事業計画書は、起業する上での地図のようなものvです。
しっかりとした地図が描けないと、経営に迷った際に立ち直すことができません。
事業計画書には、以下の内容を記載してください。

  • 事業内容
  • 事業戦略
  • 収益の見込み
  • 事業立ち上げ資金
  • 事業を継続していく資金

事業計画書を書いたことがない人は、フランチャイズ本部の方に相談してみましょう。
また、日本政策金融公庫が創業支援の一環として、事業計画書の書き方を教えています。
そちらに相談するのもありです。


運営コストを把握する

ネットで「美容室 フランチャイズ」と検索をしてみてください。
多くのフランチャイズ加盟できる美容室が出てきます。

その中から、自分にとってベストのフランチャイズを探すのは大変…
そこでやって欲しいのが運営コストの把握です。

フランチャイズには、加盟金と毎月のロイヤリティの2つを払わなければいけません。
特に加盟金は、100万円以上する場合がほとんどです。
現在の預貯金額で検討してみましょう。

また、フランチャイズに加盟する前の自分自身の売上も把握してください。
売上がまったくないのに、「フランチャイズに加盟したら稼げる!」みたいに甘く考えると危険です。

自分が経営したいサロンのコンセプトと合うか検討する

フランチャイズ本部が定めるコンセプトとの相性は重要です。
極論、どんなに稼げてもストレスが溜まる環境だと起業した意味がありません。

もう1つ、美容室をフランチャイズにする前の注意点があります。
それはフランチャイズを脱退する際のルールです。

フランチャイズ本部によっては、以下のようにかなり厳しい条件があります。

  • 100万円以上の違約金(契約期間に縛りがある場合)
  • 同じエリアで美容室の出店ができない
  • フランチャイズ時に集客したお客様を継続して担当できない

必ず、フランチャイズを脱退した際のルールは把握しておきましょう。
あなたがフランチャイズ本部の場合は、脱退のルールを明確にしておく必要があります。

フランチャイズ展開・募集しているサロン例一覧


ここで、実際に美容室をフランチャイズ展開している美容室を紹介します。
これから「独立か? フランチャイズか?」を検討している方は参考にしてください。

11cut(イレブンカット)

11cutさんは【適正価格でスピーディーにカットできるビューティサロン】を企業理念にされています。
2001~2020年の間に爆発的に急成長した美容室。
スピーディーな仕事とシンプルな料金設定が人気です。
スタッフ教育にも力を入れており、他業種から参入する方も多いのが特徴。
ショッピングセンターなど、集客が見込めるエリアに出店しています。

美容室CIEL(シエル)

全国に31店舗展開しているCIELさん。
CIELさんの強みはこちら。

  • 低価格で薬剤を仕入れることが可能
  • フランチャイズ本部が求人をしてくれる
  • 独自の教育システムと接客サービス

その他にもSNSマーケティングなど、さまざまなサポートが受けられます。
また、美容室の集客サイトではトップクラスの問い合わせ率です。
コロナ化でも業績を伸ばしており、実績は抜群の美容室と言えます。

ディアーズ

ディアーズさんは、フランチャイズ化に成功している最も勢いのある美容室ではないでしょうか?
創業者の北原さんは、YouTubeなどでも有名です。
私も動画を見たことがあるのですが、「とにかく熱量がすごい!」のひと言に尽きます。
YouTubeで検索すれば、すぐに出てくるので覗いてみてください。
ディアーズさんは、髪質改善を武器に次々とフランチャイズ加盟店を増やしています。
加盟金は他の美容室よりも高いですが、圧倒的な成果を出しているため納得の金額です。

美容室のフランチャイズを選択肢の1つとして考えよう


今回のテーマ【美容室フランチャイズは儲かる?ロイヤテリィの仕組みと失敗しないポイント】についてまとめていきます。

・美容室のフランチャイズは資金面などメリットが多い
・フランチャイズに加盟するならロイヤリティと加盟金の2つがかかる
・美容室をフランチャイズにすると自由度は下がる
・フランチャイズ本部を目指すなら【集客・教育・求人】のノウハウが必要

美容師として独立する場合は、フランチャイズも視野に入れるといいかもしれません。
しかし、フランチャイズになることでのデメリットも存在します。
あくまで独立の1つに【フランチャイズもあるよ】と捉えるのがおすすめ。

今回の内容が少しでも参考になれば嬉しいです。

 

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宇井一八フリーランスヘアスタイリスト兼ウェブライター

投稿者の過去記事

福岡理容美容高等専門学校を卒業。2店舗のサロンを経て2017年にフリーランスのヘアスタイリストとして活動をスタート。カラー比率は、80%以上でブリーチを使ったカラーや明るい白髪染めなど、あらゆるヘアカラーが得意分野。
現在は、ヘアスタイリストとして活動の傍らウェブライター業や百貨店とUUU計画(ユーケイカク)という名前でアートイベントの主催を運営中。
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