子供の成長とともに、「そろそろ子供のカットをプロの手に委ねてみようかな」と考えている親御さんもいることでしょう。そんなとき、子供のカットに力を入れている美容室選びを始めますよね。美容室側も、子供のカットを得意とすることで親子での来店やリピートが期待できます。ここでは、子供カットのポイントや子供が楽しく髪を切れるサロン環境をご紹介します。
Last Updated:2021/6/14
子供のカットでおさえておきたいポイント
子供のカットでおさえておきたいポイントは以下の4つです。サロンに子供カットをメニューに加えるならば、ぜひ心得ておきましょう。
- 集中力の維持が難しい
子供が大人と大きく違う点は、何といっても「集中力が持続しない」ということでしょう。年齢が低いほど集中力が続かないのが子供の特徴です。
素早く手際良くカット手順を踏むことが大切です。子供のカット所要時間は15分~20分と心得ておきましょう。 - カット道具が怖い
小さな子供ほどカットバサミやバリカンに恐怖を感じることがあります。特に2歳頃になると、ハサミは切れるもの・危ないものという認識が強くなるため、目の前にハサミやバリカンを出されると怖がったり、泣いたりするケースもあるでしょう。 - 親がいないと不安
まだカット経験が浅い子供は、親が見えなくなると不安になります。特に、年齢の低い子供ほど、お母さんが近くにいないと泣いたり落ちつきがなくなったりするでしょう。子供が安心して座っていられるように保護者に近くで見守ってもらうことが理想です。 - 子供特有の髪質悩み
低年齢の子供は、「生まれたときから髪はフサフサ」という子から、「髪の量が薄め」などと個人差があります。また、寝癖がつきやすい、クセが強いなど髪質悩みもはっきりしてくるケースもあります。
カウンセリング~クロージングまでの流れ
基本的には、子供も大人もカットの流れは一緒です。丁寧なカウンセリングからクロージングまでの流れをご紹介します。
カウンセリング
子供の性格や髪質を一番知っているのは母親です。カウンセリングでは、美容師がお母さんのお話をしっかりと聞いて、以下のような点を参考にして施術することがポイントです。子供の特性をキャッチしておきましょう。
- 子供の理美容経験の有無
- ハサミやバリカンに対する恐怖心
- 子供の髪質
- 子供の日頃の集中力
- 子供の好きな遊びや玩具など
雑誌などを参考にする
子供向けのヘアスタイルが載っているカタログなどを見ながら、子供の輪郭や髪質にマッチしたスタイルを提案しましょう。ヘアカタログを使っておすすめすることで、短時間で効率良く目標のヘアスタイルが決まります。子供を飽きさせないための作戦とも言えます。
施術(カット)
カット中は、子供を退屈させない点や、不快にさせない点に注意しましょう。例えばカットした髪が首回りや顔周りに落ちて不快感を与えてしまうのは良くありません。
また、カット中は親が近くで見守っていられるように、保護者用の椅子を用意しておくことも良いですね。
クロージング
子供にとって、じっとしていることは難しいものです。カットが終わった後には「頑張ったね」「とても上手に座っていたね」などの言葉をかけ、しっかり褒めてあげましょう。ご褒美のお菓子などを渡せると良いですね。
子供を退屈させないための秘訣
カット中は、子供の集中力が切れてしまうことが多いです。つまり、子供にとってカットの時間帯は退屈以外の何ものでもありません。そのような子供の特性を見据え、退屈させない様々なアイテムツールを用意しておきましょう。
おもちゃを用意する
子供が興味をもってくれるようなおもちゃを年齢別に数種類用意しておきましょう。子供が手にするものですから、アルコールなどの除菌メンテナンスを欠かさないことが大切です。また、お気に入りのおもちゃがある場合は持参しもらうなどしましょう。
ビデオや動画を準備
2歳くらいになると、ビデオや動画に興味をもつ子供が多くなります。男の子ならば、戦隊ヒーローものや、ドラえもん、ポケットモンスターなどを用意しておくとよいでしょう。
一方、女の子ならば、プリキュアやディズニーなどもおすすめですよ。
お母さんまたはお父さんに抱っこしてもらう
1歳~2歳くらいまでの子供は、一人ではなかなか座ってはいられないもの。そのようなときは、お母さん、お父さんが抱っこして施術を受けると落ちついてカットできます。お揃いの可愛らしいケープをかけてあげることで安心していられるでしょう。
ハサミを見せない
小さな子供にとってハサミは凶器そのものです。2歳近くになると「ハサミは危ないもの」と認識できる子供がほとんどでしょう。
また、バリカンの音や刃の部分に恐怖を感じる子供もいるため、なるべく刃の部分を見せないようにしてください。また、子供に恐怖感を与えないような丸みのある光沢の少ないデザインのハサミなどを使用することも良いですね。
カウンセリングに役立つ予備知識
子供のカットをスタートする前に、ぜひ考慮していただきたいのがカウンセリングです。もちろん、話をする対象は子供ではなく保護者ということになります。美容師は、施術する子供に対して以下のような点を把握しておく必要があります。また、カウンセリングも施術同様、スピーディーに進める必要があります。
美容師は以下のような項目を念頭に子供の施術に臨みましょう。
- 安全性をキープする
- 飽きさせない
- 恐怖感を与えない
- 不快感を与えない
- カットを楽しんでもらう
子供の特徴を理解する
子供の特徴も色々です。大人しく座っていられる子供から、少しもじっとしていられないくらい活発な子供もいます。また、「男の子」「女の子」と性別の差によっても特性に違いがあるものです。
カウンセリング中は、保護者との会話がメインになりますが、子供に話しかけたり、様子を伺ったりすることを忘れないようにしましょう。
このように、対象となる子供の性格をしっかりと把握してから施術に向かうことが重要です。万が一、子供の特徴を把握せずに施術をスタートしてしまうと、事故や怪我のもとになってしまいます。
子供の遊びを知る
対象となる子供はどのような遊びを好んでいるのかを知る必要があります。付き添いのお母さんやお父さんに対して、子供が普段どのような遊びをしているのかを尋ねます。折り紙やお絵かきセットなどを用意するのも良いですね。お気に入りの縫いぐるみなどがあれば、それを施術中に抱きしめるなどして安心感を与えるのもよいでしょう。
また、チャイルドプレイルームなど設備のある美容室であれば、施術前に遊ばせてからカットに入るとスムーズに誘導できることがあります。
子供は常に母親を必要としています
子供の視界からお母さんが消えてしまうと不安を抱いてしまいます。これは、サロンでの施術時だけではありません。子供の特性として知っておくべきことと言えるでしょう。施術時は、親が子供を抱っこしたり、近くで見守っていたりすることで子供が不安を抱くことなく施術に臨むことができるはずです。
また、子供のカット中は保護者が近くで見守れる位置に座っていることでカットがスムーズに進むでしょう。緊張しやすい子供に対しては、お母さんから話しかけてもらうなど、リラックスムードでカットしてもらえると良いですね。
お客様とより良い空間をつくるために
美容室で子供のカットをするときに最も大切なのが、次のような空間を作ってあげることです。
- 安全性が保てる導線(子供に恐怖心を与えない安全な動きをする)
- 子供の繊細な髪を扱うときの丁寧さ
- 保護者の席の確保(カット中の子供を見守りやすい場所に設置)
- 子供が楽しめる会話(飽きさせない)
子供がリラックスできるのは、アットホームな空間です。なるべく家の中にいるような雰囲気を醸し出せるようなサロンを目指してください。
チャイルドマインダーの資格をとる
日頃から子供が多く来店するサロンや、これからキッズカットメニューを増やそうとしているサロンなどがあると思います。
こうしたサロンでは、美容師がチャイルドマインダーの資格を取得しておくのもよいでしょう。子供相手といえば、真っ先に思いつくのが保育士の資格ですが、ここ数年はチャイルドマインダーという資格を取得することで、様々なジャンルの職種でも子供との円滑な関係を築けるようになりました。
ここでは、チャイルドマインダーについて解説します。
家庭的保育のスペシャリスト“チャイルドマインダー”とは
日本ではあまり馴染みのない「チャイルドマインダー」という資格。実は英国では100年以上の歴史ある保育関連の仕事です。資格を取得すると、3~4人ほどの少人数を保育することができます。また、0歳から12歳までと幅広い年齢層の子供を対象にできます。
チャイルドマインダーの資格は、通学コースや通信講座などで取得する方が多いです。特に、本職をおもちの方ならば、時間の融通の利く通信講座の利用がおすすめです。
また、資格を取得した後は様々なシーンで活用することができます。サロンスタッフがチャイルドマインダーの資格を有していれば、プレイルームなどで子供の面倒を見ることができます。また、子供の特性や遊び方を知ることができるため、カウンセリングからクロージングまでをスムーズにこなすことができるのです。
いずれにしても、チャイルドマインダーの資格は子供の特性を深く知り、キッズカットに活かせる最大の武器となるでしょう。
子供のカットは美容室?理容室?
子供のカットを依頼するときには、「美容室」「理容室」どちらに行くべきか迷う親御さんも少なくありません。インターネットが普及した今、親は様々な情報を得ることができます。
そのような中でサロン側がとるべきことは、すぐに情報を見つけられるようにホームページやチラシなどに子供のカットメニューの詳細をしっかりと記載することです。キッズカットを主力メニューにするのであれば、他の店舗との違いをアピールする内容にしてセールスポイントを明確にしましょう。
また、チャイルドマインダーの資格を取得しているスタッフがいる場合は、詳細内には「チャイルドマインダー取得スタッフ在籍」などと明記しておくことで、サロンの強みのひとつにもなります。
子供のカットをメニューに入れるなら看板にも工夫を
いまや、子供のカットメニューを取り入れているサロンは多いことでしょう。親子で来店されるお客様も少なくはありません。また、せっかく子供カットを実施しているのに、アピール不足でお客様が認知していないケースもあります。
子供のカットメニューを全面的にアピールするためには、サロン内のメニューや外看板などの目立つ箇所に詳細を記載しておきましょう。その場合、「カット料金」「対応年齢」「事前予約の有無」などを記載することがポイントです。看板を見た親子連れが来店しやすくなり、新規顧客を獲得しやすくなるでしょう。
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