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美容師に福利厚生はない!?加入の割合と美容業界におすすめの制度

美容室で働くスタッフにとって、福利厚生の充実はとても大切なポイントです。しかし中には、社会保険などが完備されていないサロンもそれなりに存在します。
ではなぜ美容業界では「あまり福利厚生が充実していない」と言われることがあるのでしょうか。この記事では、美容室と福利厚生の関係やおすすめの福利厚生についてご紹介していきます。

福利厚生まで払っていたら生活できない!?給与事情との関係

福利厚生まで払っていたら生活できない!?給与事情との関係

一般的に大企業と呼ばれる会社では、福利厚生が充実していると言われています。しかし美容業界ではそこまで規模の大きい事業者はなかなかいませんし、個人経営している店舗も多いです。

それだけが理由ではありませんが、美容室で福利厚生が充実しているところは少ないのが現状になります。ではなぜそういった状況となっているのか、美容師の給与事情や店舗の経営状態などから見ていきましょう。

美容師の給与事情

一般的に美容師は、他の業種と比べても給与が低いと言われています。その理由は、主に固定給だけでなく歩合給の給与システムを取り入れており、お客様の集客状況などで給与に影響してくるからです。

特に美容師としてデビューしたての頃は、アシスタントとして雑務やシャンプーなどが主な仕事になります。そのため指名されることもなく固定給のみの支給なので、必然的に給与も少なくなるでしょう。

一人前の美容師になるには、スタイリストとしてお客様からの指名をある程度もらえるようにならなければなりません。しかしそれでも美容師の平均月収は30代で20~25万円ほどです。

一方で都内の高級サロンで活躍しているカリスマ美容師と呼ばれるようなスタッフは、年収1,000万円を超えているとも言われています。このように所属しているスタッフなどによっても、店舗の利益に大きな影響があります。

またスタッフによっては一人前になったら独立を考えている人もいるでしょう。美容室では安定して高い利益を見込めないことも多く、その上で福利厚生を導入してしまうと経営が苦しくなる恐れがあるのです。

『法人』と『個人経営』で事情も変わる

美容業界では、福利厚生がない店舗もあると耳にすることがあるかもしれません。しかし通常の企業だと、社会保険などの福利厚生が整っているところは多いです。

これは「法人」と「個人経営」の美容室で、福利厚生の事情が変わることが理由として挙げられます。というのも通常の法人企業であれば、原則として社会保険への加入義務が生じるからです。

一方で個人経営の場合は、社会保険へ加入する義務はありません。もちろん任意で加入することもできます。

また個人経営でも常に5人以上のスタッフを雇用している場合は、健康保険と厚生年金に加入する義務が発生することもあります。しかしこれは業種によって異なり、美容業は5人以上のスタッフがいても義務が発生しないのです。

そして健康保険や厚生年金などの社会保険は、会社側と従業員側で費用を折半することになります。規模の小さい美容室や従業員数の多いところでは大きい負担になるため、加入義務がなければ社会保険に加入しない美容室も多いのです。

『法定福利』と『法定外福利』の違い

『法定福利』と『法定外福利』の違い

そもそも福利厚生とは、事業主が労働者に対して給与以外の部分で何らかの給付やサービスを提供する制度です。それにより労働者の生活力の向上や健康維持などにつなげることが目的になります。

そして福利厚生には「法定福利」と「法定外福利」があります。この2種類には明確な違いがあるため、導入を検討している人はしっかりと理解しておきましょう。

法定福利

法定福利は、法律によって義務付けられているものです。前項で述べた社会保険などが、この法定福利に該当します。

具体的には、

  • 健康保険
  • 厚生年金
  • 労働保険
  • 介護保険

などです。中でも健康保険と厚生年金、介護保険については、会社と従業員で半額ずつ負担します。

また健康保険と厚生年金が用意されている美容室でも、パートやアルバイトなどでは加入する条件があります。例えば、

  • 所定労働時間や所定労働日数が、一般社員の4分の3以上
  • 所定労働時間が週20時間を超えている
  • 月給が88,000円以上である
  • 1年以上継続して雇用される見込みがある
  • 学生ではない

などです。

社会保険がない美容室だと、従業員は国民健康保険や国民年金に加入し全額自分で負担しなければなりません。このことから雇用されるスタッフ側としてはメリットが大きく、法定福利がある美容室のほうが新しい人材を募集した際にも好印象を与えられます。

法定外福利

法定外福利は、いわゆる会社独自の福利厚生となります。法律で義務付けられているわけではないので、事業主が任意で導入することが可能です。もちろん一般的に多くの企業が取り入れている法定外福利もあります。

具体的には、

  • 住宅手当
  • 交通費
  • 社員寮
  • 家族手当

などです。その他にもバースデー休暇などの特別休暇や保養所の施設利用、資格取得の支援などが挙げられます。

このように法定外福利は、従業員の生活をサポートする様々な制度があるのです。費用はかかりますが、働きやすい職場環境を整えることにもつながるため、大企業の多くが導入しています。

美容室では法定外福利を取り入れるのが困難かもしれませんが、それだけに他店との差別化を図れるというメリットになるでしょう。

法人なのに福利厚生がない店舗には要注意

先ほども述べた通り法人企業の場合は、法定福利である社会保険への加入が必須となります。にも関わらず、最低限の福利厚生が整っていない店舗は明らかに怪しいです。過去には、福利厚生として毎月給与から引かれていたけど実際には支払われておらず、その分オーナーが着服していたという事例もあります。

どこの美容室で働こうかと考えている美容師の方は、そういった点にも注意しながら就活しましょう。例えば求人情報のみで判断するのではなく、口コミサイトでの下調べを行うなどです。

「美容室では福利厚生が整っていない」という先入観に騙されないよう、法人と個人経営における福利厚生の有無について理解を深めておきましょう。

加入は義務?雇用保険と労災保険

加入は義務?雇用保険と労災保険

社会保険の中でも、雇用保険と労災保険はほぼ全ての労働者に適用されます。これらの保険は、労働者として働く上で欠かせないもの。それぞれ加入条件や事業主の負担割合なども異なるので、詳しく見ていきましょう。

雇用保険

雇用保険は毎月保険料を支払うことで、失業手当や職業訓練などの様々な支援を受けられる制度です。

この保険では正社員やパート、アルバイトなどの雇用形態を問わず、強制的に加入義務が生じます。より詳しい条件は、「31日以上の雇用見込みがあり、1週間の所定労働時間が20時間以上」です。

つまり継続的に雇用される従業員は、大体の方が加入することになるでしょう。入る資格をもつすべての労働者が強制的に加入しなければならないので、未加入のままだと違法になる恐れがあります。

しかし条件に当てはまらない労働者もいて、1ヶ月未満の短期雇用や週に20時間未満(1日3時間労働)しか働かない人は未加入でも問題ありません。

そして毎月の雇用保険料は、従業員と会社が一定の割合で負担するもの。具体的には、毎月の給与総額に対して「雇用保険料率」を掛けて算出されます。この割合については、各年度ごとに掲載されている厚生労働省のホームページで確認してください。

参考:雇用保険料率について|厚生労働省

労災保険

労災保険は勤務中の事故などで労働者が怪我や入院、死亡などの際に、労働者や遺族に対して給付が行われる保険制度です。この保険では、原則として労働基準法に規定する労働者を1人でも雇っている場合に加入義務が生じます。

ここでいう労働者とは、

  • 会社に雇われている者
  • 労働の対価として賃金を支払われる者

の要件を満たしている人のことです。こちらも雇用保険と同様に、正社員やアルバイトなどの雇用形態に関係なく労働者を雇うだけで強制的に加入しなければなりません

そして加入するのは、労働者一人ひとりではなく事業所単位です。そのため会社に雇われている労働者は、おのずと労災保険に加入していることになります。

労災保険料は、雇用保険と違い事業主側の負担率が100%です。金額は全従業員の1年間の賃金総額に、労災保険料率を掛けて算出します。また賃金総額には、退職金といった一時金が含まれないことも覚えておきましょう。

労災保険料率についても、厚生労働省のホームページを参照してください。

参考:労災保険・雇用保険の特徴|厚生労働省

美容師さんにおすすめの福利厚生

美容師さんにおすすめの福利厚生

最近では、美容師が長く安心して働けるように社会保険を完備しているサロンも増えてきているのが現状です。ただ健康保険に関しては、美容師専門の保険があるなど多数存在するため、美容室によって導入している保険内容が違うことも挙げられます。

では具体的にどんな健康保険があるのでしょうか。ここからは美容師の方におすすめの保険についてご紹介していきます。

【健康保険】東京美容国民健康保険組合

東京美容国民健康保険組合は通称「美容国保」と呼ばれており、給料に対して保険料が変わることのなく一律料金となっている健康保険です。そのため収入の少ない人だと保険料が高く感じてしまうかもしれませんが、一定以上の給与を得ている人にはおすすめの保険と言えます。

加入条件は、名前からもわかる通り東京都内にあるサロンで働いていること。そして従業員は、

  • 東京都
  • 神奈川県
  • 千葉県
  • 埼玉県
  • 茨城県
  • 山梨県

の区域に居住していることが必要条件です。そして加入者本人だけでなく、その世帯に属する同一世帯家族も被保険者となります。

また通常の国保と同様に、医療機関に保険証を持参して受診すると自己負担額を抑えられます。自己負担する金額は年齢によっても異なり、以下のような割合となっています。

小学校入学前 2割負担
小学校入学後から69歳まで 3割負担
70~74歳の一般所得者、低所得者 2割負担

毎年の保険料など詳しい概要について知りたい方は、美容国保のホームページをご参照ください。

公式サイト:東京美容国民健康保険組合

【社会保険】全日本理美容健康保険組合

全日本理美容健康保険組合は、通称「理美けんぽ」と呼ばれるものです。

保険料は、国保や「協会けんぽ」などの一般的な健康保険と同じで前年の収入から算出されます。その他にも保険料が給料から天引きされる点や、会社と従業員で保険料を折半するという点も同様です。

加入する条件は、働いている美容室が理美けんぽ組合に所属していることになります。そして医療費の自己負担額は、70歳未満だと外来や入院に関わらず3割ほどです。

こちらも年齢に応じて負担割合は変わり、被扶養者などが小学校入学前で2割、70歳以上75歳未満の高齢受給者が2割になります。

詳しい概要について知りたい方は、理美けんぽのホームページを参照してください。

公式サイト:全日本理美容健康保険組合

スタッフにも喜ばれる環境づくりに福利厚生は欠かせない

美容室に福利厚生が充実しているかは、その店舗の事業主によって様々です。中には経済的な面で、なかなか導入が難しいという店舗もあるでしょう。

しかし美容室で働くスタッフにとって、福利厚生があるのとないのでは安心感が違います。それに福利厚生が充実していると、離職率の低下やスムーズな人材の募集にもつながることでしょう。

特に個人経営の美容室だと、健康保険や厚生年金といった社会保険への加入は任意になるため、導入に迷いを感じる事業者の方もいるはず。従業員に喜ばれる職場環境をつくるためにも、積極的に福利厚生を取り入れることも検討してみてはいかがでしょうか。

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サロンチャート編集部

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