美容室が値上げを検討すべき3つの理由。失敗しない告知文・タイミングも解説

多くの美容室が値上げを検討しているというアンケート結果があります。
周りが値上げしているなら、自分の美容室も値上げをするべきか迷う方も少なくないでしょう。ところが安易な値上げは失客するリスクも高くなります。
そこで、マイナスの結果にならないように対処法をまとめてみました。なぜ値上げが必要なのか考えて、しっかりお客様に伝えるようにしましょう。

今、値上げを意識する美容室が増えている

多くの美容室が、現在値上げを考えています。
さまざまな理由で原材料費が高騰しているのに加え、最低賃金が見直しされるようになった影響で、人件費まで高くなっているからです。
その結果、7割ほどが値上げを検討しており、美容業界全体が変革の時期に差し掛かっています。

とはいえ、値上げ幅はそこまで高いものではありません。
約8割の美容室は、10%以内の範囲で値上げを留めておこうと考えています。
それでもお客様に理解されるかどうかという質問に対して、「大丈夫」と答えた美容室は約5割と、半分程度しかありません。
それだけ美容室の値上げは、難しいものだというのがわかるでしょう。

美容室が今、値上げを検討すべき理由


先ほども説明したように、美容室が値上げを考えているのには理由があります。

・仕入れ価格が高騰している
・値上げしたからといって必ず客離れするわけではない
・利益を増やした分をサービス向上に充てられる

それぞれ詳しく説明していきます。

仕入れ価格が高騰している

まず、さまざまな物の価格が上昇しているため、美容室の営業にも支障が出ているケースがあります。
あるアンケートでは、「仕入れ価格が上がった」と答えた美容室が46%もありました。

仕入れが高くなると、収益が下がってしまいます。
そのため「値上げはしたくないけど経営が続けられなくなる…」と、仕方なく値上げをしようと考える美容室が大半でしょう。

ちなみに仕入れ価格の高騰が影響した美容室の中には、「たった46%しかいないのなら大げさに取り上げなくていいのでは?」と考える人もいるかもしれません。
確かに現状では46%程度です。
とはいえ、まだまだ値上げラッシュは続くと予想されます。好機を逃すと、値上げしにくい状況に陥ることも考えられます。
そこで、多くの美容室が現時点で値上げを検討しているわけです。

値上げしたからといって必ずしも客離れするわけではない

値上げをすれば顧客離れが起きると思い、今まで多くの美容室は値上げをしてきませんでした。
ところが、現状の値上げで大きな客離れは起きないと考えられます。
それは多くの物の値段が上がっているからです。
物価や人件費が上がっているのなら、美容室の値上げも仕方がないとお客様は思うでしょう。

また、美容室は人と人の繋がりを大事にする職種です。
少し値上げをしたからといって、顧客離れが起きにくい業種だということも覚えておきましょう。

もちろん、日頃から美容師が丁寧に接客できていればの話です。

利益を増やした分をサービス向上に充てられる

値上げをするのは仕方がないことだと紹介しましたが、ほかにも理由があります。
それは利益が出た分のお金を、サービスの質を上げるために使えることです。

例えば値上げで得た利益を、美容師のモチベーションをアップさせるために使うだけでも、美容室の雰囲気が変わります。もちろん技術力の向上に使うのもアリです。
これにより、結果的にお客様の満足度が上がり、顧客離れにもつながるでしょう。

値上げといっても、お客様にとってデメリットしかないわけではないことを覚えておきましょう。

値上げ金額の決め方


値上に踏み切る場合、適当に金額を決めてしまうのはよくありません。
お客様が離れない程度の金額に抑えておくことも、美容室の値上げでも大事になります。

どのように金額を決めるべきか迷っている人のために、2つの方法をまとめてみました。

他店の価格・相場をリサーチしてどのくらい上げるか検討

まず、美容室の値上げをする前に、徹底的にリサーチしておきましょう。

多くの美容室が値上げをしているわけですから、ほかの美容室も同じことを考えているはずです。
そこで、周りの美容室の価格帯は必ずチェックしましょう。

美容室に来る顧客の中には通いやすさを重視している方も多いので、案外あなたの周りの美容室に関する事情も知っているものです。
だからこそ、その目安以上の金額に設定してしまうと、あなたの美容室の価格帯が高いと感じられるようになってしまいます。
そうなってくると、顧客離れの原因になってしまうので要注意です。

お客様の許容範囲内の値上げであれば、特に大きなトラブルなく値上げができるでしょう。

段階的に値上げする方法もある

地域や客層によっては、いきなりの値上げを受け入れてもらえないこともあります。良くない印象を持つお客様も出てくることでしょう。

例えば3段階に分け、1年かけて少しずつ希望の金額に近づけていくなど工夫してみるのも1つの方法です。

値上げに適したタイミング

値上げをしようと決めたら、すぐに価格を変えてしまうのもあまりよくありません。
顧客離れにより売上が下がるリスクもあるので、できるだけタイミングを見て値上げしてみましょう。
適したタイミングをいくつかご紹介しますので、参考にしてみてください。

店全体の客数が増えたとき

お客様の数が多すぎると、お店で働く美容師も忙しくてお客様1人にかける時間も短くなってしまいます。
するとサービスの質が下がる原因になってしまうので、あえて値上げしてみるのもいいかもしれません。
少し顧客が減ったとしても、売上事態には影響が出にくいといえるでしょう。

指名客(固定客)が増えたとき

指名してくれるお客様が増えたときも、値上げをするべきタイミングになります。
上記と同じように、お客様が多くなりすぎると忙しくなり、サービスの低下につながるからです。

固定客が多い美容室であれば、全体のメニューの値上げではなく、指名料を高くするなどの工夫をしてみてもいいでしょう。

優良な客が増えたとき

お客様は、優良なお客様とそうでないお客様の2パターンに大きく分けられます。
もちろん優良なお客様といっても、毎回単価の高いメニューを選んでくれる、新規のお客様を紹介してくれるなど、美容室によって定義はさまざまです。

どちらにしても、優良だと思うお客様は、値上げをしたところで不満なく通ってくれる人がほとんどのはずです。
むしろ優良ではないお客様が少なくなることで、サービスの質が向上する可能性も考えられます。

伝え方が重要! 失敗しない値上げの告知方法


今はさまざまな物が値上げしているタイミングであるだけに、美容室が値上げをする時も告知の方法に気を付けないといけません。

正しい告知方法を理解しておけば、値上げしたところで嫌な思いをするお客様が少なくなり、売上が下がらない可能性が高くなります。

口頭でなく文書で伝える

丁寧に対応するなら、値上げを文章で伝えるようにしてください。
文章であればお客様の手元に残るため、値上げを忘れるリスクが減ります。

さらに、来店したタイミングで口頭でも伝えれば確実です。

顧客を最優先に考えてくれる美容室という印象を与えることもできるため、文章での値上げ告知がおすすめです。

なぜ値上げしなければならないかをしっかり伝える

「値上げをするのはお金儲けのため」だと勘違いされると、お客様の心象も悪くなります。

値上げをしなければならない明確な理由があり、しかもお客様にとってもメリットがあるという内容も伝えられれば、納得してくれるお客様も少なくありません。
むしろ誠実に顧客に向き合っているお店だと認識してもらえる可能性が高くなるかもしれません。

美容室はお客様との信頼関係で成り立っています。だかこそ、値上げの理由をしっかり伝えるようにしましょう。

遅くても1ヵ月前にはお知らせする

早めに値上げの告知をしておくことも大事です。
値上げしたことを知らなかった顧客が1人でもいると、その方の印象が悪くなることもあります。

ネガティブな内容こそ、早めに伝えておくのはビジネスでは重要なポイント。
だからこそ、遅くても1ヵ月前にはすべてのお客様に告知を終わらせておくようにしましょう。

美容室の値上げ告知文章の例

告知をしたほうがいいと紹介しましたが、どのように印象良く値上げしたこと伝えるべきか、よくわからない人もいると思います。

以下に例文を紹介しますので、参考にしてください。

短めの告知文の例3つ

文例1

長い間、大変お世話になっております。
美容室の成長と向上を目指し、メニューの価格を見直す運びとなりました。これにより、さらなる満足度を提供できるよう励んでまいります。些細な変更ではございますが、どうか温かいご理解を賜りますようお願い申し上げます。

皆様のご支援に心より感謝し、これからもより一層のおもてなしを追求してまいります。
引き続きのご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。

文例2

お客様にはご不便をおかけし、心よりお詫び申し上げます。
しかしながら、サロンの運営コスト増加を受け、一部料金の見直しをさせていただくこととなりました。
何卒、ご理解賜りますようお願い申し上げます。

文例3

いつも当サロンをお使いいただき、ありがとうございます。
当サロンでは、材料費などの価格高騰などによって、やむを得ず料金の見直しをすることとなりました。
値上がりした料金は、サービスの向上やメニューの開発などに充てさせていただきます。
ご理解とご協力、よろしくお願いいたします。

長めの告知文の例2つ

文例1

長らくご愛顧賜り、心より感謝申し上げます。
美容室のサービス向上を目指し、一部メニューの価格を見直す運びとなりました。

お客様により良い体験を提供するため、スタッフの技術向上と設備の充実に努めてまいりました。
しかしながら、最近の仕入れ価格の高騰が避けられず、現状の価格体制では高品質なサービスを持続することが難しくなりました。このため、少しの値上げを余儀なくされることとなりました。些細な変更でございますが、どうかご理解賜りますようお願い申し上げます。

これからもお客様に満足いただけるよう、最高のサービスを提供し続ける努力を惜しまない所存です。皆様のご理解とご愛顧に心より感謝申し上げ、より一層のおもてなしを追求してまいります。
引き続きのご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。

文例2

当サロンは常にサービス向上に努めておりますが、それに伴い原材料費や新設備費用が増加し、料金を一部見直させていただく運びとなりました。
ご理解いただき、ご協力賜りますようお願い申し上げます。

料金の変更により、サロンは更なる質の高いサービスを提供でき、快適な体験をお届けできることを確信しております。新施術やメニューも取り入れ、充実したサービスを提供いたします。

料金に関する疑問やご質問がございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。お客様のご理解とご支援に心より感謝いたします。

値上げしても失客しない美容室の特徴


値上げをすれば、ある程度の失客は仕方がないでしょう。
しかし美容室によっては、失客するお客様の数が極端に少ないところもあります。
失客の数に違いが出るのはなぜなのでしょうか?

普段からよい接客で信頼関係を築いている

お客様の中には、美容室の価格だけにとらわれない人もいます。
どこに価値を置いているかどうかは、お客様によって違うわけです。

特に値上げで失客が少ない美容室は、来店するお客様と美容師との信頼関係が築けています。
美容師の人柄や接客態度、技術などを見て決めているわけです。

つまり少し高くなったとしても、「あなたしか自分に合う美容師がいない」と感じているお客様は、値上げで美容室を変えるといった考えにはならないことがほとんどと言えます。



値上げとともにサービスや技術も上げている

在籍している美容師だけでなく、美容室そのものに魅力を感じているお客様にとっても、値上げが店離れの理由になることは少ないでしょう。

特に値上げ後にサービスと技術力が高くなっていると感じてもらえれば、別の美容室に行こうとは思わないはずです。
お客様に対して誠実に対応できる美容室ほど、値上げが経営に影響を与えるリスクは大きくないと言えます。

美容室の値上げには事前の準備が必要!


値上げをすると、お客様の数と売上が減ってしまうのではないかと不安になる美容室もあるでしょう。
しかし現在は、美容室に限らず、どんなお店も値上げをせざるを得ない状況になっています。
だからこそ、今値上げをしないとこの先経営が苦しくなってしまうことが起こるかもしれません。

とはいえ、値上げはお客様にとってもデリケートな問題です。いきなり値上げをしてしまうと信頼関係が崩れおそれもあります。
そうならないためには、事前に値上げを告知する手紙を送るなど、ある程度余裕を持ってお客様に伝えておくことが重要です。
そして来店した時にも口頭で伝えるようにすれば、お客様にも納得していただけることでしょう。

 

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メガネセキ美容室オーナー、ライター、元美容師

投稿者の過去記事

美容師として8年以上勤務。薬剤で手荒れがひどくなり、美容師を辞めて現在はWebライター。
地元で美容室を経営しつつ、Webの知識で集客も行っています。

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